研究開発された技術紹介

現在、半導体生産は少量多品種の傾向にある。一方、縮小転写工程で使用する原版製作費は上昇の一途にある。それらのマイナス要因による製造原価上昇はデバイス単価を押し上げ、その結果として販売不振や事業撤退等の事態を招いている。そこで、マスクレスで高スループットな生産装置を開発し、川下産業への投入を計画する。中核技術としては、高解像度スキャンニング描画方式、高深度投影技術、高輝度長寿命光源等が挙げられる

高精度、高速、高信頼、低価格のマスクレス露光システムにより、リソグラフィ工程のTATを劇的に短縮した。

・ステージ等速性制御技術
‐描画時におけるステージの時間的な位置ずれを、X軸、Y軸共に±0.1μm以下に抑えることができた
‐ステージ制御システムソフトウェア開発においては、ステージ制御システムとの連動性の確立、外部機器のコントロールを実行可能とした
・半導体光源の評価実験‐選定したLEDアレイ素子の温度特性、出力特性において設計どおりの結果が得られた
・総合性能評価
‐マスク製造ならびに、直接描画の分野において、産業界で要望されている精度で加工することができた
・製作した微細加工装置用精密ステージ
～ステージの主要部品は、アルミナセラミックス。特に仕上がり精度の要求が厳しいパーツには、最終的に手仕上げ加工でサブミクロンレベルまで精度を追求した～

・出展：マイクロマシン/MEMS展(H22.7)
・新聞・雑誌：日刊工業新聞(H22.7.30)、九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会・会報｢SIIQPRESSVol.20｣

半導体、MEMS、μTASなどのデバイス製造時の微細パターニング加工工程において、慣例的装置では製造に数ヶ月要していた期間が劇的に短縮される。既存技術では実現できなかった変種変量生産が実現可能

・H22年度に事業化に成功
・共同評価用装置あり

・低コスト化：パターニング用マスクセットは、一般的に数百万から数千万円のコストがかかるが、本技術によりゼロとなる
・多品種少量生産：本技術によってマスクは不要となり設計完了と同時にリソグラフィが可能となる
・技術情報漏洩リスク低減：マスク作成のための外注が不要のため、自社技術を外部に持ち出す必要がない

市場ニーズに基づき、更なる技術開発・高度化を実現
・研究機関、一般企業を含めて複数の販売実績を積み重ねている
・サポイン事業で開発した技術を応用して、よりコンパクトでクリーンルームが不要なミニマル　マスクレス露光措置を開発、上市済み
・露光装置として要となる光学系を中心にバージョンアップを繰り返し、露光品質の改善や使い勝手の改善などを鶏三している