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表面処理

強くて環境にやさしい表面処理を開発。レーザ粉体肉盛コーティングで高耐久皮膜の形成を可能に

石川県

株式会社村谷機械製作所

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 超高速レーザ粉体肉盛コーティングによる高耐久硬質層形成技術の開発と低環境負荷表面処理プロセスの実用化
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮
キーワード レーザコーティング、部品補修、3Dプリンタ、表面改質、AM
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

今回の研究では3つの課題を設定した。まず研究課題1.として、1kW級のマルチビームと最適化されたノズルを組み合わせることで、高速かつ低歪みなレーザコーティングを実現し、さらに内径φ50mmに対応できる加工ヘッドの開発に取り組んだ。研究課題2.では、交流プラズマやレーザ加熱を用いて造粒粉体を加熱することで焼結を行い、真円度や嵩密度を改善し、コーティング皮膜の密度や付着効率を高める手法を検証した。研究課題3.では、皮膜の品質保証に言及し、X線による残留応力評価とアコースティックエミッション監視を組み合わせ、非破壊での検査技術を確立し、各種ワークで実証した。最終到達点として、「処理能力160dm2/h超」「表面粗さRa0.001mm以下」「粉体使用効率80%以上」という具体的な数値目標を掲げ、実用化を見据えた開発を推進した。

レーザ粉体肉盛コーティングにおける従来方式と開発方式の比較
開発した技術のポイント

・マルチビーム式レーザコーティングと矩形トップハットプロファイルで粉末・基板への入熱を均一化
・青色半導体レーザ(450nm)採用で吸収率を高め、付着効率を最大約2倍に向上
・1kW級発振器+専用ヘッドで集光径φ0.3mm級、粉体使用効率82.5%を実測
・内径用ヘッドは分割・回転機構で非円筒内面にも適用

開発手法の従来技術との特徴比較
具体的な成果

・超高速マルチビーム式レーザ粉体肉盛コーティング
-最大走査速度1,500mm/secの高速コーティング。
-熱影響を小さく抑えるマルチビーム式で施工対象の熱ひずみを低減。小さい部品への適応も可能。
・空隙の少ない超硬合金皮膜
-空隙率0.2%の超硬皮膜形成を実現。
-硬度HV1,000以上、硬質クロムメッキと同等以上の耐摩耗性。
・φ50mmまでコーティング可能な内径加工ヘッド
-内径φ50mmまでコーティング可能なレーザ加工ヘッドを開発。
-ヘッドが回転式で施工対象の形状制限を大幅に緩和。
-円筒以外の角形パイプ内面への加工も可能。

コーティングサンプル
知財出願や広報活動等の状況

基礎技術となるマルチビーム式レーザ粉体肉盛コーティングについては既に国際特許まで取得済みであり,海外展開も可能である。広報活動としては、自社ホームページへの掲載、展示会(JIMTOF・MEX)出展、学会発表、Web掲載などによるPRを計画している。

研究開発成果の利用シーン

・摺動部品
 -低歪み・高硬度皮膜で耐摩耗・省資源化
・金型/精密治具
 -低空隙の硬質層による寿命延伸
 -破損部の部品補修
・小径内面:内径φ50mm級シリンダや角形パイプ内面の耐久コーティング

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

1kWマルチビーム装置、超高速ヘッド、高速回転ステージを整備し、1,500mm/sec走査での成膜と粉体使用効率82.5%を実証。基板再溶融でRa0.778umを達成し、歪みは領域分割成膜で0.387mmまで低減。WC-12%Co皮膜は硬質クロムめっき同等以上の耐久性を確認した。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・高速×低入熱:めっき同等の処理能力と低歪みを両立
・高耐久皮膜:HV1,000超、低空隙で長寿命
・多用途適合:平面~内径φ50mm、角形内面まで対応可能なヘッド群
・資源効率:粉体使用効率≧80%で省資源・省廃棄に寄与

今後の実用化・事業化の見通し

歪み0.1mm以下、空隙率0.2%以下の安定化を目標に、基板加熱レーザの最適化を進めるとともに、コーティング装置として付帯設備(供給機や移動軸)の最適化を行う。ユーザーの負担を軽減するため、加工条件を自動で導出するシミュレーションとの連携や条件最適化を組み込んだ装置開発を継続して行う。建機・自動車・半導体金型の量産適用を進め、コーティング装置の量産体制を整備する。

実用化・事業化にあたっての課題

最終目標に対して未達項目が残存している。現状達成水準でも適用可能なアプリケーションは見込めるが、量産適用と信頼性確保に向けて品質向上を継続する。アドバイザー向けサンプルは一部が評価継続中であり、研究開発後も検証とフィードバックを反映した改良サイクルを回し、規格化と適用範囲の拡大を図る。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社村谷機械製作所
事業管理機関 公益財団法人石川県産業創出支援機構
研究等実施機関 株式会社村谷機械製作所
富士高周波工業株式会社
株式会社タマダホールディングスグループ
石川県工業試験場
国立大学法人福井大学
国立大学法人大阪大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社村谷機械製作所(法人番号:5220001007001)
事業内容 産業機械の設計・製造
社員数 50 名
本社所在地 〒920-0209 石川県金沢市東蚊爪町1-32
ホームページ https://muratani.co.jp/
連絡先窓口 製造部製品開発課左今 佑
メールアドレス info@muratani.co.jp
電話番号 076-238-5115