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測定計測

画像解析とAIアルゴリズムの技術を活用した
生コン品質判定自動処理で省力化及び品質向上を支援するサービスの創出

東京都

株式会社カイ

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 生コンの品質判定のAIエッジデバイス化に関する研究開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 生コンの全量検査、画像解析、AIアルゴリズム、エッジデバイス、省人化
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

生コンクリートの品質判定システムのAIエッジデバイス化に関する研究開発を実施した。鹿島建設との先行開発成果であるミキサー車の入退場記録とコンクリート流動形状のトレンドデータ算出技術を基に、AIによる動画解析技術をAIエッジデバイスに論理回路として組み込み、小型化・省エネ化を実現する。具体的には、ディープラーニングによる車両・シュート位置認識とオプティカルフローによるスランプ値推定をAIエッジデバイスに実装し、クラウド環境でのデータ共有システムを構築する。あらゆる環境下での使用を可能とするハードウェア開発、通信制御システム、AIモデルや画像解析アルゴリズムの柔軟な対応を目指す。防塵・防水対応により現場での実用性を高め、全量検査による品質向上と作業効率化を実現する革新的なシステムの開発を行った。

開発した技術のポイント

・AI エッジデバイス開発
‐XILINXのIoTデバイス(MP SoC・FPGA)を選定し、Deep Learning処理、画像処理、データ転送処理を実装
‐ディープラーニングによる車両・シュート位置認識を20秒以内で実現
‐オプティカルフローによるスランプ値推定の高速化を図り、10秒以内の処理時間を達成

・通信制御システム
‐クラウドでの検査データ共有化システムを構築
‐電波が届かない環境でも単体処理・データ保存が可能
‐緊急停止信号送信機能とタイムラグ対策を実装

・アルゴリズム柔軟化
‐複数のAI モデル(3つ以上)の動作を AI エッジデバイス上で実現
‐高流動コンクリートやカーボンリサイクル対応コンクリートなど新たなコンクリート種への対応
‐API 化によるアルゴリズム置き換え機能を搭載

具体的な成果

・AIエッジデバイスの小型化・省エネ化を実現し、消費電力量を10分の1以下に削減
・NVIDIA Jetson Orin Nanoへの実装も追加で実現(サイズ 100mm×79mm×21mm、最大67TOPS性能)
・iPadを採用したユーザーインターフェース端末とクラウド連携システムを構築
・年間100件の工事案件データベース蓄積を目標とするシステムを完成
・サーバ呼び出しから画面表示まで10秒以内、動画再生開始まで30秒以内を実現
・電波不通環境での一連処理(車両入退場検知→品質判定→警告発生→パトランプ信号送信)を実現
・エッジデバイス向けオプティカルフローや画像処理向けライブラリーを完成
・テスト環境及び現場環境での論理回路見直しを完了し、防水・防塵装置不要な環境下での使用を可能とした

知財出願や広報活動等の状況

本研究開発では生コン情報や帳票類の電子化への取組みを2023年度のJIS(日本産業規格)規定改正に反映させることを目指している。また、当研究で開発された技術は鹿島建設の「コンクリート・アイ」システムとの連携を前提としており、株式会社カイが画像解析とAIを組み合わせた車両の入退場検知と生コンの品質判定プログラム開発を担当している。研究成果の社会実装に向けて、建設業界全体での標準化推進と普及展開を図っている。なお、具体的な特許出願状況については本報告書に明記されていないが、AIエッジデバイス化技術と画像解析アルゴリズムの実用化に向けた知的財産権の確保が進められている。

研究開発成果の利用シーン

・建設現場での生コンクリート全量検査による品質管理の高度化
・トンネル内や水中打設など通信環境の悪い場所での品質判定作業
・塵・埃・湿気などの過酷な環境下での無人化品質検査
・高流動コンクリートやカーボンリサイクル対応コンクリートなど新種コンクリートの品質評価
・ゼネコン各社での統一的な品質判定システムとしての導入
・生コン工場から工事現場までの運搬品質管理
・品質異常時のリアルタイム警告システムとしての活用
・建設現場の省人化・生産性向上への貢献
・コンクリート構造物の長期品質保証データベース構築
・i-Construction推進に伴う建設業界全体のデジタル化促進
・海外建設プロジェクトでの品質管理システムとしての展開

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

「生コンの品質・性状判定用のAIエッジデバイス&ネットワークサービス」として事業化を計画している。AIエッジデバイス(NVIDIA Jetson Orin Nano 仕様)を100万円/個で販売し、5年間のアップグレードサービスを含む。クラウドサービスは月額料金制で、登録生コン1立方メートル当たり50円(税抜)のサブスクリプション形式を採用する。計算例として、1日4回搬入、月20日稼働、7か月分で2,240立方メートルの場合、月額112,000円となる。主要AIエッジデバイスは代理店や委託先を通じて安定調達し、製造は株式会社カイの専門スタッフが担当する。販売活動は建設関連に強みを持つ国内商社を経由し、商流・物流・金流を確保した事業化体制を構築している。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、試験・分析・評価、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・小型・省エネ化・省人化された AI エッジデバイスにより現場設置の自由度が高い
・電波不通環境でも単体処理可能で、あらゆる建設現場で使用可能
・リアルタイム全量検査により従来の抜き取り検査から大幅な品質向上を実現
・iPad によるユーザーフレンドリーなインターフェースで操作性に優れる
・クラウド連携により複数現場での品質データ一元管理が可能
・高流動コンクリートやカーボンリサイクル対応コンクリートなど新種への柔軟対応
・緊急停止機能により品質異常時の即座な対応を実現
・5年間のアップグレードサービス付きで長期利用に対応
・建設業界の i-Construction 推進に貢献する革新的技術
・従来の手作業検査から AI による定量的判断への転換を実現

今後の実用化・事業化の見通し

研究開発成果の社会実装に向けて、残された課題の解決を進める。性状判定作業フローでの手作業介在については、画像解析技術による自動矩形指定機能を開発予定。納入書撮影のワークフロー見直しでは、撮影スキップ機能とタイムスタンプ連携による自動紐づけシステムを構築する。撮影条件の統一化のため撮影ボックスの導入を計画している。事業化展開では、国内総合建設会社を主要ターゲットとし、海外支店への展開も視野に入れる。また、当事業の成果物を活用することでコンクリート構造物の価値増加(具体的には物理的耐用年数の延長)が見込まれるので、工事の発注者側であるハウスメーカーや不動産デベロッパーの開拓も視野に入れている。建設関連商社を通じた販売ネットワークの構築により、全国展開を図る。FPGAとNVIDIA Jetsonの両方に対応することで、市場ニーズに応じた多様な販売パッケージを提供し、建設業における生産性向上と付加価値創造に寄与することを目指している。

実用化・事業化にあたっての課題

・性状判定作業フローに手作業が介在する問題
‐iPad 画面での4点矩形手動指定により指定領域が煩雑となり省人化を阻害
‐解決策: 画像解析技術による自動指定機能の開発

・納入書撮影時のワークフロー見直し
‐生コン打設開始前の納入書撮影が間に合わず性状判定開始が遅延
‐解決策: 撮影スキップ機能とタイムスタンプ活用による事後紐づけシステム

・納入書撮影方法の改善
‐撮影条件(アングル・照明)の不統一により撮影結果にバラツキが発生
‐解決策: 撮影ボックス導入による撮影条件の標準化

・事業化体制の構築
‐代理店・委託先との連携による安定調達体制の確立
‐建設関連商社との販売ネットワーク構築
‐製造・販売・保守サービス体制の整備

事業化に向けた提携や連携の希望

生コンクリートの品質判定をスランプ検査から画像解析ベースにシフトするシステムは、現場の効率化だけでなく、発注者側からも見て魅力的なソリューションと思われる。発注者(オーナーやデベロッパー)は、プロジェクト全体の品質保証やコストコントロールを重視するため、このシステムを導入することで、ゼネコンからの報告精度向上やトラブル低減が期待できる。ゼネコン経由の間接アプローチだけでなく、直接発注者に提案すれば、システムの標準化をプロジェクト契約条件に組み込みやすくなり、販売チャネルが広がる。特に、大規模開発を担う民間デベロッパーや公共機関がターゲットになると思われる。

生コン使用量の多さ(高層ビル・インフラ開発中心)、および品質管理への関心の高さである。下記の希望や要望に関するデータは2024-2025年の業界ランキングを参考にし、各社へのデモを交えたピッチ資料を準備する計画である。提案のポイントとして、既存プロジェクトの品質課題(例: 検査遅延による工期短縮)を解決する点を協調したい。
●事業化(事業連携・販路開拓等)に向けた連携や提携について希望や要望は、以下の企業群である。
■民間デベロッパー(総合系):三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産ホールディングス・野村不動産ホールディングス・森ビル
■インフラ系:JR東日本(東日本旅客鉄)・NTTファシリティーズ・電力8社・瓦斯2社
■公共機関:国土交通省(地方整備局含)・東京都庁(都市整備局)

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社カイ
事業管理機関 一般社団法人首都圏産業活性化協会
研究等実施機関 株式会社カイ
アドバイザー 鹿島建設株式会社
芝浦工業大学

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社カイ (法人番号:4012401002041)
事業内容 医療・科学技術系ソフトウェア開発、IT・業務系システムの開発、AI・機械学習・画像処理等のコンサルティング業務
社員数 15 名
生産拠点 東京都国分寺市本町二丁目7番5号 明星ビル302
本社所在地 〒185-0012 東京都東京都国分寺市本町二丁目7番5号 明星ビル302
ホームページ https://www.chi.co.jp/about
連絡先窓口 株式会社カイ 代表取締役 堀澤 知義
メールアドレス hori@chi.co.jp
電話番号 042-320-7171