精密加工
急速充放電が可能で高エネルギー密度の超小型グラフェン蓄電デバイスの精密製造技術の開発
茨城県
株式会社マテリアルイノベーションつくば
2025年1月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 急速充放電が可能な超小型グラフェン蓄電デバイスの精密製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、ロボット、情報通信、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、環境配慮 |
キーワード | グラフェン、蓄電デバイス、超小型、急速充電、ウエアラブルデバイス |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
マテリアルイノベーションつくばの高エネルギー密度グラフェンキャパシタ技術とサンクメタルの精密加工技術を融合し、既存の小型キャパシタの3分の1のサイズで5倍のエネルギー密度を持つ超小型グラフェンスーパーキャパシタ(GSC)の製造試作ラインの開発を通して製造技術を確立することを目的とする。具体的には、高精度の電極加工・積層・ラミネート封止技術を開発し、将来の量産を見据えたセル試作ラインを構築する。
開発した技術のポイント
・高精度な電極塗布・プレス・電極切断・積層技術の開発
・品質・歩留まりに影響を与える電極切断・積層工程の自動化
・最小面積で水分抑制効果を実現する精密熱融着
・真空熱融着技術の開発
・グラフェン/CNT複合材料の均一分散技術の確立
具体的な成果
・既存キャパシタの3分の1サイズ(1cm2以下)で5倍のエネルギー密度(4.5Wh/ℓ以上)のGSCを開発
・セル試作能力1,000個/月の少量試作体制を確立
・電極切断・積層工程の自動化により、10,000個/月の試作体制を構築 ・50万セル/月生産時の製造原価は目標の60~70円程度と試算
・超小型GSCの補助電源としての有効性を実証試験で検証
知財出願や広報活動等の状況
2023年は展示会・講演会で6件の発表を実施し、また、2024年は再生可能エネルギー展(茨城県ブース)に出展して好評を得た。弊社の技術に興味を持つ企業と接触を持ち、要求仕様などの情報交換を行うことで具体的な事業化を推進中である。 特許に関しては、本案件の技術である超小型セルに関する特許をPCT出願し、各国移行を図っている段階である。
研究開発成果の利用シーン
開発した超小型GSCは、IoTやIoHに活用されるウェアラブルデバイスの電源として利用される。具体的には、健康管理・介護見守り機器等への適用が想定される。また、環境発電用途での微小電流の受け入れにも適している。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現段階は超小型GSCの試作体制が確立した段階である。今後は試作セルを用いたマーケティングを加速し、ユーザーへのサンプル提供・実証試験・実機試験を進めて更なる顧客獲得を図る。また、月産能力50万セル程度の量産設備の開発・導入により本格事業化を目指す。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
従来の小型キャパシタと比較して、3分の1のサイズで5倍のエネルギー密度を実現した超小型・高エネルギー密度のグラフェンスーパーキャパシタである。IoTやウェアラブルデバイスの小型・軽量化に貢献する革新的な蓄電デバイスである。
今後の実用化・事業化の見通し
試作セルを用いたマーケティングによる顧客獲得と、月産能力50万セル程度の量産設備の開発・導入により、本格的な事業化を展開していく。蓄電デバイスの専業メーカーとの協業も視野に入れながら、IoT・IoH市場への参入を目指す。現在、グラフェンを使った次世代リチウムイオンキャパシタ(GLIC)についての顧客要望が強く、研究開発はそちらに重点を置いて進めている状況である。材料・蓄電デバイス両方とも量産に関しては、協業パートナー選定を進めていく予定。
実用化・事業化にあたっての課題
製品のバラツキや品質保証、安全性の実証データ等を揃える必要がある。今後3年間で量産課題を解決し、製品としての性能・仕様を確立することが求められる。これらの量産課題に関しては、弊社のようなベンチャーだけでは難しくパートナーが必須と考えている。
事業化に向けた提携や連携の希望
現在、蓄電メーカーあるいは今後蓄電に進出しようとしているメーカーと共同評価を進めている段階であり、その1社とはPOCを実施の上、次の共同開発段階に進める方向で調整中である。我々のコア技術であるグラフェン複合材料のスケールアップ・量産化についても海外を含め選定を進めている所である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社マテリアルイノベーションつくば |
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事業管理機関 | 株式会社マテリアルイノベーションつくば |
研究等実施機関 | 株式会社サンクメタル |
アドバイザー | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社マテリアルイノベーションつくば(法人番号:5050001043583) |
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事業内容 | 機能性材料等の開発・製造・販売、機能性材料等に関する材料構造特性情報の提供・販売、前各号に関するコンサルティング業務 |
社員数 | 9 名 |
本社所在地 | 〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 |
ホームページ | https://www.mitsukuba.com |
連絡先窓口 | 代表取締役 唐 捷 |
メールアドレス | info@mitsukuba.com |
電話番号 | 029-859-2833 |
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