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材料製造プロセス

イリジウム坩堝を使用しない従来にない酸化物単結晶育成技術の開発

東京都

株式会社三幸

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 超スマート社会実現の鍵を握る「機能性酸化物単結晶」の貴金属坩堝フリー量産技術開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 産業機械、半導体
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化
キーワード 酸化物結晶、坩堝フリー、貴金属フリー、結晶育成
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 令和3年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

従来の酸化物単結晶製造に必要だった貴金属坩堝を使用しない育成技術の開発を目指した。高周波誘導加熱技術を用いて酸化物材料を直接溶融し、高品質な単結晶の育成を実現する装置を開発。また、装置の量産化を目指し、SiCモジュールや水冷銅パイプバスケットなどの部品開発も進めている。この技術により、通信、エネルギー、医療デバイスなど幅広い分野での応用が期待される。

開発した技術のポイント

・SiCモジュールの開発: 高周波誘導加熱技術を活用し、従来のシリコン素子では達成できなかった高周波と高出力の両立を実現
・坩堝フリー単結晶育成装置の開発: 従来の貴金属坩堝を使用せずに育成する技術を確立
・酸化物結晶育成技術: 酸化物の比抵抗を測定し、最適な周波数での誘導加熱を実現

具体的な成果

貴金属坩堝を使用しない酸化物単結晶育成技術の開発に成功した。特に、量産装置の実現に向け、2インチサイズの酸化物単結晶を高品質に育成する技術を確立したことが大きな成果。また、SiCモジュールの改良により、従来技術を上回る高周波・高出力の達成に成功し、育成装置の量産化を見据えた部品開発も完了した。これにより、育成コストの大幅な削減と結晶品質の向上が実現し、国際競争力が強化された。

研究開発成果の利用シーン

開発された酸化物単結晶育成技術は、通信デバイス、エネルギー関連機器、医療機器など、幅広い分野での応用が期待されている。特に、次世代パワーデバイスやシンチレータ結晶など、高品質な単結晶が必要とされる分野での利用が進むと予想される。また、酸化物結晶の育成コストが大幅に削減されたことで、これまで高コストが障害となっていた分野での普及も加速する見込みである。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

量産型装置の開発が順調に進んでおり、2インチサイズの酸化物単結晶育成に成功していることから、商業生産に向けた基盤が整いつつある。また、顧客からの反応も良好で、イリジウムフリーの酸化物結晶育成技術は、コスト削減と品質向上を求める業界に大きなインパクトを与えている。今後、さらなる事業化推進が期待される。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

本プロジェクトで開発された坩堝フリー酸化物単結晶育成技術は、イリジウム貴金属を使用せずに酸化物結晶を育成できる点が大きな特徴。これにより、従来の技術では困難だったコスト削減が実現し、結晶の品質も向上。特に、次世代パワーデバイスや通信・医療機器の製造において、競争力を高める製品として注目されている。また、環境負荷の低減にも貢献する技術である。

今後の実用化・事業化の見通し

今後の実用化・事業化に向けては、量産型装置の安定稼働が鍵となる。既に2インチ酸化物単結晶の育成に成功していることから、今後は更なる大口径化や品質向上を目指す。また、顧客からの需要も高まっており、早期の商業化が期待される。特に、酸化ガリウムなどの次世代パワーデバイス市場において、圧倒的なパフォーマンスを発揮する技術として注目されている。量産化が進めば、グローバル市場での競争力強化が見込まれる。

実用化・事業化にあたっての課題

量産型装置のさらなる安定性とコスト削減が必要。また、2インチより大口径の結晶育成には技術的な挑戦が伴うため、さらなる開発が求められる。加えて、育成過程での熱損失や材料の効率的な利用についての改善も必要となる。これらの課題を解決することで、技術の実用化が加速し、広範な市場への展開が可能となる。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社三幸
事業管理機関 公益財団法人みやぎ産業振興機構 産業育成支援部地域連携推進課
研究等実施機関 国立大学法人東北大学
アドバイザー 株式会社コイケ
株式会社日立製作所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社三幸(法人番号:3010401068269)
事業内容 カーボン製品の製造及び販売、セラミックス製品の製造及び販売、精密機械の設計・製造及び販売・保守
社員数 70 名
本社所在地 〒105-0013 東京都港区浜松町2丁目5番地5号 PMO浜松町8階
ホームページ https://www.kk-sanko.co.jp/
連絡先窓口 仙台支店 佐藤浩樹
メールアドレス hiro@kk-sanko.co.jp
電話番号 022-393-7427