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研究開発された技術紹介

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精密加工

1. 電子光学鏡筒の高機能化
2. ステージ系の高機能化
3. 制御系の高機能化
4. 制御の自動化
5. 装置の総合性能検証・評価
6. DFBレーザデバイスの性能評価

東京都

株式会社クレステック

2025年1月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 LiDAR向け高出力DFBレーザデバイス生産用電子線描画装置の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)
キーワード LiDAR
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

このプロジェクトは、LiDARに使用される半導体DFBレーザの生産に適した電子線描画装置の開発を目指している。具体的には、出力1W以上の半導体DFBレーザを製造するための電子線描画装置を開発。素子長3mmのDFBレーザ素子をつなぎ無しで描画するためにフィールドサイズを大型化。さらに、大フィールドで問題となる電子線の収差を低減する機構を開発した。

開発した技術のポイント

・電子線描画装置の開発
-電子光学系:ビーム電流50nAでビーム径10±5nm
-ステージ制御精度 0.6nm
-電気制御系の安定度 <1×10-6
-フィールドサイズ3mmにおいて下記性能を実現
*格子ピッチ精度 ±0.1nm
*格子デューティ精度 ±5%
*描画位置分解能 0.001nm
・DFBレーザデバイス性能
-パルス光出力 >1.2W
-横モード抑圧比 40.75dB
-スペクトル線幅 450kHz

具体的な成果

・電子光学系の高機能化
-ビーム電流50nAにおいて、3mmフィールド全域でのビーム径を10±5nmに制御。
-描画位置精度を3nmで実現。
・ステージ系の高機能化
-ステージの最高移動速度を30mm/sに達成。
-ステージ材質を非磁性に変更し、描画位置での磁束密度を3μTに低減。
-微動による描画位置の影響を低減し、0.6nmの描画位置補正を確認。
・制御系の高機能化
-ビーム径と描画精度を実現するための収差補正をリアルタイムで行う機構を構築。
-偏向電圧による描画位置誤差を0.05nm以下に低減し、安定性を1×10^-6に達成。
-高速描画に対応するため、回路系のクロック周波数を200MHzに引き上げ。
・制御の自動化
-電子線の立ち上げ、軌道調整、補正データ収集、描画プロセスを自動化。
・装置の総合性能検証・評価
-2インチウェハ1枚当たりの描画時間を40分に短縮。
・DFBレーザデバイスの性能評価
-開発した電子線描画装置を用いて、素子長3mmの半導体DFBレーザを試作。
-光出力>1.2W、横モード抑圧比40.75dB、スペクトル線幅450kHzを確認。

研究開発成果の利用シーン

開発した電子線描画装置は、LiDAR向けのDFBレーザ製造に活用される。特に自動運転技術において、精度の高い距離測定や物体認識が求められるため、信頼性のあるレーザの供給が不可欠である。また、半導体産業やナノテクノロジーの分野でも、精密な加工が必要とされるシーンで利用される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現在、試作機レベルの完成度であり、製品機としての開発が進行中。製品化には2023年度中に開発を完了し、2024年度に市場投入を目指す。だが、新型コロナウイルスの影響でLiDAR向けDFBレーザの需要の伸びが想定より遅れており、事業化のスケジュールが2年程度後倒しになる見込み。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

本装置は出力1W以上のDFBレーザを高精度で製造できるため、LiDAR市場において非常に競争力のある製品となる。格子ピッチ精度や描画位置分解能が優れており、半導体産業やナノテク分野でも高い需要が見込まれる。自動化された操作プロセスにより、安定した生産が可能であることも大きな強み。

今後の実用化・事業化の見通し

2023年度内に製品機としての開発を完了し、2024年度には市場に投入する計画。しかし、需要の動向や外部環境の影響により、スケジュールの見直しが必要になる可能性がある。新興国などの市場における需要の増加に対応するため、展示会での情報収集を通じて事業計画を修正する考え。

実用化・事業化にあたっての課題

操作性やメンテナンス性の向上も必要で、製品化に向けての技術的な改善が重要となる。また、性能の実現を優先したために高コストとなっている部分もあるので、採算がとれるように性能を維持した形でコストを低減することが必要。新型コロナウイルスの影響も念頭に置き、需要の動向を見極めることが求められる。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社クレステック
事業管理機関 株式会社クレステック
研究等実施機関 株式会社QDレーザ
アドバイザー 東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社クレステック(法人番号:9010101009550)
事業内容 電子線描画装置の開発・販売
社員数 22 名
本社所在地 〒192-0045 東京都八王子市大和田町1-9-2
ホームページ https://www.crestec8.co.jp/company.html
連絡先窓口 マーケティング部 柴田政宏
メールアドレス shibata@crestec8.co.jp
電話番号 042-660-1190