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研究開発された技術紹介

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立体造形

骨形状と適合性が良い小型立体固定プレ-トとその固定方式の実現により健康で長寿な社会への貢献を目指す。

石川県

日機工業株式会社

2023年2月14日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 変形性膝関節症治療のための高強度小型立体固定プレート及び固定方式の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化
キーワード 医療機器開発、整形外科用インプラント、金属三次元積層造形、体内固定用プレート、体内固定用ネジ
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

中高年に最も多い関節疾患である変形性膝関節症の治療では、従来の人工関節置換術に加え、関節を温存したまま症状を軽減させる高位脛骨骨切り術が増加している。しかし、固定プレートが大型で平面のため適合性が悪く、皮膚切開が大きく煩雑な術式となる。そこで、立体造形技術の高度化による小型立体固定プレートの実現と併せ、極めて皮膚切開が小さく低侵襲で適合性が良く簡便な術式を確立し、健康で長寿な社会への貢献を目指す。

模擬骨に設置した開発段階のプレートとスクリュー
開発した技術のポイント

変形性膝関節症患者向けの立体固定プレートとスクリューの形状を決定し、試作品を作成後、評価を行った。また、スクリューを挿入するためのガイドデバイス等のデバイス開発を進めた。カダバー試験ではプレート、スクリュー、デバイスの試作品を用いた総合的な評価を行い、実際の骨に固定できることや皮膚切開が小さくなることを確かめ、手術方式の確立に向けて大きな進展を得られた。

カダバー試験にて実際の骨に設置した様子
具体的な成果

1.プレートと固定方式の高強度化
患者のCTスキャンデータの解析情報を基に、小型立体固定プレートの暫定形状を設定し、 スクリューの位置や方向を決定した。

2.革新的術式を可能にするガイド及びデバイスの開発
-骨切りガイドの開発
小型立体固定プレートの形状、既承認品と異なる設置場所、想定される手術手順等を考慮し骨切りガイドの草案を作成。ガイド試作品製作の開発を進めた。
-スクリューの方向ガイド及び挿入デバイスの開発
1.の研究開発にて決定した方向や、配置の通りにスクリュー挿入を可能にするガイドデバイスを試作。

3.医療現場の負担軽減
-表面処理による医療現場のユーザビリティ向上
インプラント材料を発色させる陽極酸化処理の条件を特定した。
-洗浄、梱包、滅菌バリデーションの実施による製品の清浄性の確保
医療現場にて開封後すぐに、滅菌完了品を納品できる仕様を設定し開発を進めた。
-開発品を用いた手術方法の確立
開発したプレート、スクリュー、ガイドとデバイスを用いてカダバー試験を行った。 プレートの設置において特に支障は無く、開発品にて骨を固定可能なことを確認した。

研究開発成果の利用シーン

我が国の膝OAの患者数は2,530万人、そのうち症状が進行して治療が必要とされているのは約800万人にのぼると推定されている。
日本整形外科学会が提唱する運動機能の障害により、要介護の状態を示す「ロコモティブシンドローム」による患者の生活の質(QOL)の低下が懸念される。そんな状況において、初期から進行期にかけての膝OAに対して高い治療効果を示すHTOは今後さらに普及すべき有用な治療法として期待されている。
患者及び医療現場からの要望を満たした革新的HTOの開発は、運動機能維持による国民全体のQOLの向上、延いては日本の医療費の削減のための喫緊の課題となっている。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

変形性膝関節症患者向けの立体固定プレートとスクリューの形状を決定し、試作品を作成後、評価を実施。また、スクリュー挿入のためのガイドデバイス開発を進めた。カダバー試験ではプレート、スクリュー、デバイスの試作品を用いた総合的な評価を行い、実際の骨に固定できることや皮膚切開が小さくなることを確かめた。
現状課題を解決した形状修正分による解析シミュレーションや、試作品による力学的試験による評価を経て、これまでの研究成果と共に医療機器としての承認申請を実施していく。その後、承認が取れ次第、実臨床の治療データを蓄積し安全性と効果をアピールし、医療機関や市場への認知を広めていく。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

変形性膝関節症患者向けの立体固定プレートと、スクリューの形状を決定し、試作品を作成し評価ができた。
また、スクリューを挿入するためのガイドデバイス等のデバイス開発を進めた。
カダバー試験ではプレート、スクリュー、デバイスの試作品を用いた総合的な評価を行った。計画通りに実際の骨に固定できることや、皮膚切開が小さくなることを確かめ、手術方式の確立に向けて大きな進展を得ることができた。

今後の実用化・事業化の見通し

現状課題を解決した形状修正分による解析シミュレーションや、試作品による力学的試験による評価を経て、これまでの研究成果と共に医療機器としての
承認申請を実施していく。その後、承認が取れ次第、実臨床の治療データを蓄積し安全性と効果をアピールし、医療機関や市場への認知を広めていく。

解析ソフトウェアを用いての応力分布シミュレーション
実用化・事業化にあたっての課題

これまでの研究成果から、当初目的としていた患者の骨形状と、適合性の良い小型立体固定プレートの形状と、それを用いた固定方式は概ね完成した。
しかし、プレートの厚み分布の適正化等の新たな課題も確認されている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 日機工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人石川県産業創出支援機構 プロジェクト推進部
研究等実施機関 国立大学法人福井大学
大阪冶金興業株式会社
石川県工業試験場

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 日機工業株式会社(法人番号:8100001011532)
事業内容 製造業
社員数 23 名
本社所在地 〒925-0375 石川県羽咋郡志賀町字若葉台63番地1
ホームページ http://nikki-kk.co.jp
連絡先窓口 日機工業株式会社 総括代表研究者(PL) 山内 隆嗣
メールアドレス contact@nikki-kk.co.jp
電話番号 0767-38-1944