立体造形
最適設計に依る軽量化と、量産実用化
神奈川県
株式会社コイワイ
2024年12月6日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 3D構造最適設計を用いた軽量EV用アルミニウム合金メインフレームの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 最適設計、軽量化、ジェネレイティブ、金型量産、トポロジー設計 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
電動自動車(EV)や電動カートなど次世代モビリティにおいて、軽量化に対する要求を背景に複雑分岐・中空形状メインフレームのニーズは高い。
しかし、複雑分岐・中空形状の量産を実現する技術は現状存在していない。
この課題解決のために、傾斜重力鋳造をトポロジー解析、3Dプリンター活用により進化させ、複雑分岐・中空アルミニウム合金メインフレームを開発する。
そして、これにより、次世代モビリティ製品の高度化を図る。
開発した技術のポイント
1. 複雑分岐・中空形状メインフレームの開発
平均肉厚2.5mmのメインフレームで、鋳造と構造最適化(トポロジー最適化、ジェネレーティブデザイン など)との共通解となる形状設計がされている。複雑分岐・中空形状の設計提案が可能なフロー構築となっている。
2. 複雑分岐・中空形状の量産手法の構築
3Dプリンター(金属、砂型)を活用した鋳造技術である。 金属造形で作製した冷却回路鋳ぐるみ金型によって冷却最適化がされている。 また、金属造形で作製したガス抜き入子によって、型内圧力制御を行っている。砂型3D造形による複雑分岐中子についても使用。
具体的な成果
1. 複雑分岐・中空形状メインフレームの開発
・平均肉厚2.5mmの近距離モビリティ用メインフレームを実現した。
・鋳造と構造最適化(トポロジー最適化、ジェネレーティブデザイン)との共通解となる形状設計を行った。
・鋳造と構造最適化の共通解となる形状を設計するためのワークフローを構築し、複雑・分岐中空形状の設計提案が可能となった。
2. 複雑分岐・中空形状の量産手法の構築
・3Dプリンター(金属、砂型)を活用し、傾斜鋳造と組み合わせることで、量産技術を実現した。
・金属3Dプリンターで作製した冷却回路鋳ぐるみ金型による冷却最適化で、肉厚が大きい場所での内部欠陥を抑制した。
・金属3Dプリンターで作製した自由度の高いガス抜き入子による型内圧力制御を実施し、湯回り不良を抑制した。
・砂型3D造形で中子を作製することで、複雑分岐形状用中子を作製した。
研究開発成果の利用シーン
EV普及のためには、車両全体を軽量化させ、航続距離の向上に繋げなければならない。
傾斜鋳造機での重力鋳造で量産可能な複雑分岐・中空メインフレームを開発することで、車体部品の軽量化がされ、結果として車両全体の重量も小さくなる。また、本技術は自動四輪・二輪、近距離モビリティ以外にも。軽量化が必要な産業分野に適用可能な技術である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
鋳造と構造最適化の共通解となる設計と、3Dプリンターと鋳造の技術融合による複雑分岐・中空形状メインフレームの開発とその量産技術の構築を行った。
今後は、本事業の成果を学協会、展示会、交流会を通してPRしていく。さらに、企業間での相乗効果を生み出し、関連産業全体としての立体造形に関わる技術の高度化に貢献していく。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
本事業により、今までは実現が困難であった、構造最適化を基に設計された複雑分岐・中空メインフレームを量産する技術構築をすることができた。
3Dプリンターを有効活用し、総合的に製品を作製する技術を得られた。
今後の実用化・事業化の見通し
1.既存顧客への製品事例PRによる導入
開発製品(複雑分岐・中空形状製品)の市場導入は、既に確立している販路を利用する。まずはコイワイに既に引き合いがある顧客に対して、製品事例をPRして、開発製品の周知と新規受注獲得を目指す。
2.利用機会を設けることによる製品評価
アドバイザーの自動車関連川下企業と、その下請け企業を通して、開発製品の特性や優位性をアピールするための利用機会を設ける。本事業での成果物であるメインフレームが、アドバイザーの要求性能を満たしているかを評価して貰う。開発製品の優位性の根拠を得たのち、適用可能分野の拡大を目指す。
3.広い産業分野での販路拡大
今までの販路拡大施策による様々な顧客からの受注により、本事業での開発技術をさらに成熟した技術に昇華させる。従来にない多様性に富んだ高付加価値製品に、迅速かつ的確に対応し、安定的な製品供給を目指す。さらに、全産業分野でニーズ要求が高い薄肉複雑形状製品についても販路拡大を目指していく。
実用化・事業化にあたっての課題
今後の量産を見据えていく中では、量産安定性やコスト面での改善など量産課題が残されている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社コイワイ |
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事業管理機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 企画部 開発企画室 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 学校法人早稲田大学 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
アドバイザー | WHILL株式会社 ヤマハモーターエレクトロニクス株式会社 株式会社原工業所 いすゞ自動車株式会社 東芝ITコントロールシステム株式会社 神戸洋史 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社コイワイ(法人番号:6021001022513) |
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事業内容 | 製造業・鋳物製造 |
社員数 | 109 名 |
生産拠点 | 本社工場:神奈川県小田原市、宮城工場:宮城県白石市 |
本社所在地 | 〒256-0804 神奈川県神奈川県小田原市羽根尾244番地6 |
ホームページ | http://www.tc-koiwai.co.jp/ |
連絡先窓口 | 専務取締役 小岩井 修二 |
メールアドレス | s.koiwai@tc-koiwai.co.jp |
電話番号 | 0465-44-2015 |
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