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研究開発された技術紹介

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精密加工

1.広断面の病理標本が得られるナノレベル広域切削技術の開発
2.自動的に切片を拾い上げる全自動切片回収技術の開発
3.1cmの巨大刃幅を有するダイヤモンドナイフ工具の作製

埼玉県

柳下技研株式会社

2023年2月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 画像ビッグデータ取得のための高性能ウルトラミクロトームの研究開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)
キーワード ミクロトーム、電子顕微鏡、回収装置、薄切片、ダイヤモンドナイフ
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

顕微鏡装置の急速な高解像度化により、大量の画像データを利用した、最先端研究や医療診断への応用が進みつつある。一方、こうした画像を取得するための断面/切片生成は、従来のミクロトームによる切断が主流であり、ビッグデータ取得のボトルネックとなっている。そこで、最先端の精密加工技術を集結し、大面積断面、自動切片作製が高効率に可能な、高性能ミクロトームの開発を行い、画像ビッグデータ時代の試料作製を革新する。

開発した技術のポイント

・ウルトラミクロトーム装置
‐超精密送り軸および切削軸による100nmの安定制御への対応。
単軸での位置決め性能100nm以下を実現。
-3軸NC制御による完全自動切断への対応。
制御ソフトにより3軸の動作確認及び切片の切断、XYZ同時制御動作やタッチパネル操作の実現。
-多検体サンプルの薄切片作成や周囲加工への対応。
・切片自動回収装置
‐ウルトラミクロトーム装置との連動性を実現。
-安定した全自動切片回収技術への対応、回収装置の構築。
-テープ表面の付着性の制御技術への対応、テープ表面の検証。
・幅広のダイヤモンド工具
‐幅5mm以上(9mm、10mm)のダイヤモンドナイフの開発。
-チッピング等の無い無欠陥な刃先、チッピング等の問題点検証。

ウルトラミクロトーム原理試験装置イメージ
幅広ダイヤモンドナイフ
制御コントローラ
回収テープの親水性
薄切片
具体的な成果

・超精密送り軸および切削軸による100nmの安定制御
-ウルトラミクロトーム原理試験装置の単軸での位置決め性能100nm以下を実現に向けた装置の構築を行い、ナイフで切断する実験を完了した。
・3軸NC制御による完全自動切断
-3軸を活用した完全自動切断を確立した。また、切断された切片の分析結果から最適な動作や切削条件を割り出すことが出来た。
・多検体サンプルの薄切片作成や周囲加工
-ウルトラミクロトーム原理試験装置とウルトラミクロトーム試料回収装置の連動を含め、周辺設備の自動化対応を行った。
・安定した全自動切片回収技術
-ウルトラミクロトーム試料回収装置の設計、組み立てを行い、切片回収手法を確立した。
・テープ表面の付着性の制御技術
-回収装置の制御技術の確立および、テープ付着性の実験から得られた最適なテープを確立した。
・幅広のダイヤモンド工具
-切断性を重視した幅7mm50°と回収性を重視した10mm大型ホルダー排水型のダイヤモンドナイフの開発を行った。
・チッピング等の無い無欠陥な刃先を研磨する技術
-チッピング等の無い無欠陥な刃先技術への確立のため、最適な作業環境や切削条件探索を行った。

知財出願や広報活動等の状況

「ミクロトームと試料切断方法」の名称で出願したが、未だ研究段階のため、広報活動等は出来ていない。

研究開発成果の利用シーン

本補助事業で行なった研究により開発された高性能ウルトラミクロトーム装置と切片試料の自動回収装置による画像ビッグデータの取得は、医療における正確な病理診断法の確立のみならず、化学素材分野での表面断面の評価や植物バイオロジー分野でのバイオ材料評価等の多様な分野への応用も期待できる。
また、ビッグデータ活用によって、全国の病院や病理解析を専門とする企業においては、マルチチャンネルの切片作製機能や自動周辺加工機能を活用した病理診断・解析が進むものと推測される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本補助事業で行なった研究により開発された技術は、医療、化学素材分野、植物バイオロジー分野等での応用を期待している。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

本補助事業で行なった研究により開発された高性能ウルトラミクロトーム装置と切片試料の自動回収装置による画像ビッグデータの取得は、医療における正確な病理診断法の確立のみならず、化学素材分野での表面断面の評価や植物バイオロジー分野でのバイオ材料評価等の多様な分野への応用も期待できる。
また、全国の病院や病理解析を専門とする企業においては、マルチチャンネルの切片作製機能や自動周辺加工機能を活用した病理診断・解析が進むものと推測される。これらは多数の検体を同時に検査する必要があるため、本研究で開発したウルトラミクロトームの活用は極めて効果的である。

今後の実用化・事業化の見通し

本研究で開発したウルトラミクロトームは、顕微鏡解析用の切片作製のみならず、X線を利用した新規コンピュータ断層撮影(CT)法である造影軟組織CT 法の試料作製にも応用可能である。
また、薄切片作成による物性、材料評価分野として、植物材料やバイオ材料(非医療系)あるいは印刷物や有機材料の評価装置として、化学、高分子材料関連企業や、農業、畜産分野での利用が期待されるなど、本装置の利用は日本国内のみならず、海外でも期待でき、大きな事業展開への可能性がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 柳下技研株式会社
事業管理機関 柳下技研株式会社
国立研究開発法人理化学研究所
アドバイザー 日本電子株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 柳下技研株式会社(法人番号:5030001046877)
事業内容 自動車部品試作加工、半導体部品加工、メカトロニクス等各種自動化システムの開発・設計・製作、顕微鏡・光学画像の分析・処理 解析・計測等の各種機器の製作、金型磨き加工の自動化ツール「機上ポリッシングツール」の製造・販売、ELIDユニットの製造・販売とELID搭載アップグレードサービスの受託
社員数 159 名
生産拠点 本社工場、新倉FA工場、TA工場、栃木工場、長岡工場、川島工場
本社所在地 〒351-0113 埼玉県和光市中央2-1-8
ホームページ http://yagishitagiken.jp/
連絡先窓口 柳下技研株式会社 代表取締役社長 柳下裕之
メールアドレス hiroyuki-yagishita@yagishitagiken.jp
電話番号 048-465-2411