立体造形
新規断熱押湯スリーブによる鋳造方式により、安全・低コストかつ高機能の鋳造品が実現
愛知県
株式会社瓢屋(ひさごや)
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 鋳造歩留りを10%以上向上させる新押湯方式による鋳造方法の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
鋳造は自動車を始めとする我が国産業の基盤技術である。鋳造業のコスト競争力の最大の課題は鋳造歩留りの向上であるが、この40年間、業界努力にもかかわらず平均で50%に留まっている。つまり、生産量の2倍の材料の溶解が必要で、極めてエネルギー消費が高い。その主な原因は押湯の溶湯補給効率が悪いことである。本開発では革新的な押湯方式を開発することで、溶湯を15%以上削減し、鋳造歩留り60%以上を達成する
開発した技術のポイント
安価・無害な押湯スリーブを用い、押湯効果が同等以上の新型揚り押湯方式を開発することで、10%以上の歩留まり改善を目指す
(新技術)
安価・無害な押湯スリーブを用いた揚り押湯方式を開発する
(新技術の特徴)
コストをおさえた揚り押湯方式により、歩留まりの改善が可能となる
具体的な成果
・新押湯方式の保温性の検討
‐装置を製作、スリーブを成形し、保温性を確認した
・新押湯方式の溶湯補給効果の確認と検討
‐スリーブ内ガス圧等を測定し、シミュレーションがスリーブ最適化の有効なツールであることを検証した
・実用性拡大の検討
‐ネックダウンコアの最適化、補給効果改善を行った
・実証試験による歩留まり向上・コスト低減の確認
研究開発成果の利用シーン
・新断熱押湯スリーブ
・新断熱押湯スリーブ成形装置
・新断熱押湯スリーブ性能評価装置、シミュレーションシステム
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・高い保温効果・溶湯補給効果を実現する新たな断熱押湯スリーブを開発した
・押湯重量を約56%低減でき、鋳造歩留まりが10%以上向上した
・必要最小限のネックコア形状により、押湯の除去が容易で、作業工程の軽減に寄与した
・一般の鋳物砂を骨材とし、安価でかつスリーブ混入に起因するガス欠陥、鋳造欠陥が発生しない断熱押湯スリーブが供給可能となった
製品・サービスのPRポイント
・新断熱押湯スリーブによる鋳造品の製造コスト削減
‐10%以上の歩留まり改善により、従来はコストがかかっていた材料費などの製造コストの低減が可能になる
‐結果、性能が高い製品を安価で提供することへとつながる
・新断熱押湯スリーブによる鋳造品市場の拡大
‐新たな鋳造方式により、鋳造可能な製品のバリエーションが拡大することで、市場の拡大が予想される
‐将来的には、市場の拡大に対応した鋳造品の提供が可能になる
今後の実用化・事業化の見通し
・断熱押湯スリーブの量産化、低コスト化を目指すとともに、断熱押湯スリーブの鋳造時の不具合への対応策を講じる予定である
・また、断熱押湯スリーブの商品バリエーションを充実させる
・鋳造データの充実と押湯重量低減実績データを蓄積し、シミュレーションによる各鋳造方案の最適な断熱押湯スリーブの設計・提案を行うことを予定しているとともに、講演会発表・展示会などによる市場へのPR、技術パンフレットの作成、共同特許の取得による技術の防衛等を実施する予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社瓢屋 |
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事業管理機関 | 一般社団法人日本鍛造協会 |
研究等実施機関 | 株式会社マツバラ 城田鋳工株式会社 三重可鍛工業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社瓢屋(ひさごや) |
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事業内容 | 鋳物砂製造販売、鋳造副資材の販売 |
本社所在地 | 〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮3-10-10 |
ホームページ | http://www.hisagoya.com/ |
連絡先窓口 | 技術商品開発室 担当者 曽根、山本 |
メールアドレス | t-sone@hisagoya.com |
電話番号 | 0594-22-4757 |
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