精密加工
錠剤の離型性を高めたステンレス製打錠金型を開発!高強度、防錆性、環境に配慮したクロム不使用装置を実現!
大阪府
株式会社ナンノ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 薬剤の低付着性を実現する打錠金型製造技術の研究開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、農業、産業機械、食品、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
薬剤等の錠剤製造に使用する打錠金型において、表面に原料粉体が付着することが問題になっている。このため金型として高強度で強磁性、防錆性を有し、かつ粉体が付着しにくい特性をもつ高精度金型が求められている。高強度、強磁性、防錆性を備え薬剤付着性を飛躍的に低減する打錠金型を実現するため、生産性の高いロール鍛造技術を応用した高シリコンステンレス鋼の結晶粒微細化技術による高度金型製造技術の開発を行う。
開発した技術のポイント
高強度で錆による酸化物が発生せず、紛体が付着しにくく、かつ磁場による金属破片検出可能な強磁性を有する高精度な打錠金型の製造技術を開発する
(新技術)
ロール鍛造技術による高強度化製法を用いた高シリコンステンレス鋼の金型を使用する
(新技術の特徴)
高い耐スティッキング性と防錆性に優れているため、機械の効率的な稼働が可能になる
具体的な成果
・鍛造技術の研究開発
-打錠金型が必要とする基本特性を研究、鍛造工程の基本設計を行い、試作実験した
・新材料の研究
-高強度材料を選定、鍛造及び組成調整による高強度化を実現した
・ロール鍛造技術の研究開発
-量産対応鍛造工程を設計し、ロール圧延機のローラーを設計製作した
-ロール鍛伸工程及び熱処理工程を開発し、量産に対応できる製造工程を確立した
・打錠金型表面研磨技術の研究開発
-高強度ステンレス鋼打錠金型の表面研磨加工技術を確立し、良好な耐スティッキング特性を得た
・表面状態の分析
-内部組織及び表面構造の極微解析評価を行い特性との関係を考察した
研究開発成果の利用シーン
高シリコンステンレス鋼を用いた打錠金型(成型金型)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・量産体制の整備を進めている段階である
・さらなる強度アップのため、補完研究も継続実施することを予定している
製品・サービスのPRポイント
・錠金型のスティッキング低減により、生産性、歩留まりの向上に寄与
-新規に開発したロール鍛伸工程を確立し、作製した打錠金型で従来品の3倍以上の良好なスティッキング耐性が得られることを確認した
-良好なスティッキング耐性が得られたことによって、成形品の生産性、歩留まり向上への寄与が可能になった
・メッキ不要での優れた防錆効果、耐塩素特性により、金型の交換・メンテナンスに伴うコストを低減
-ステンレス系新素材により酸化(錆)を軽減し、微細化ステンレス系新素材により塩素系薬剤による腐食も大幅に軽減した
-メッキなしで優れたスティッキング低減効果を発揮した
-結果、金型の寿命が延び、交換やメンテナンスに伴うコストの低減につながった
今後の実用化・事業化の見通し
・現在試作した打錠金型を複数の製薬関係のメーカにおいて評価をしてもらっており、今後の本格的な事業化に向けていくつかの課題解決を図り、その後最適な生産工程を確立、事業化展開を行う予定である
・特に、高シリコンステンレス鋼は、高強度・高靱性・防錆性を併せ持つ材料として応用範囲の拡大が期待されるため、市場の拡大に向け体制の整備を進めることを計画している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社豊和 |
---|---|
事業管理機関 | 一般財団法人大阪大学産業科学研究協会 |
研究等実施機関 | 株式会社ナンノ 株式会社峰山鉄工所 国立大学法人大阪大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナンノ |
---|---|
事業内容 | 冷間、熱間圧造の金型設計、製作粉末成形金型の設計、製作 |
本社所在地 | 〒579-8014 大阪府東大阪市中石切町5丁目9-26 |
ホームページ | http://www.nanno.jp/index.html |
連絡先窓口 | 代表取締役 南野重雄 |
メールアドレス | info@nanno.jp |
電話番号 | 0729-81-6911 |
研究開発された技術を探す