文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. ステント用レーザカット技術と周辺加工技術を高度化し加工硬化型の高強度ステントを実現する

精密加工

ステント用レーザカット技術と周辺加工技術を高度化し加工硬化型の高強度ステントを実現する

宮城県

クリノ株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 変位機能を有する高耐久性ステントの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(高強度化)
キーワード ステント、高強度、Ni-Ti、加工硬化、水レーザー加工機
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ステント(医療機器)は虚血性心疾患(循環器系)、末梢動脈硬化症等の根治術として、本邦及び欧米諸国で広く採用されている。一方で、ステント体内留置後の欠損等の課題を抱えている。更に、医療機器企業は市場価格の下落に伴う製造コスト抑制の喫緊の課題となっている。これらの問題を解決する手段として、ステント用レーザカット技術とそれに伴う周辺の加工技術を高度化し、世界的競争力のあるステント製造技術を確立する

開発した技術のポイント

ステント用レーザカット技術と周辺加工技術を高度化し、世界的競争力のあるステント製造技術を確立する
・水レーザ加工システムの構築→寸法ばらつき±0.01mm、切断面乱れ0.01mm
・ステント成形・拡張技術の確立→従来比2倍の応力
・コイル式芯入りチューブの加工→5°のスロープを転がる、肉厚精度0.14±10%mm
(新技術)
NEWレーザでのステント加工
(特徴)
・高応力のチューブ材料を使用できる(熱矯正を排除し、レーザ加工が可能)
→ステントの拡張力を維持しつつ、肉厚を薄くできる
→歪が緩和し、耐久性が向上するより小さくステントを畳めるため、患部へのデリバリー性が向上する

具体的な成果

・ステントに適した水レーザ加工システムの構築
‐設備改善等とともに、レーザ加工軌跡を種々検討し、ステント切断寸法ばらつき±0.015mmを実現
‐光導波路である水柱の安定化、ワーク保持方法等を改善したステント専用機を導入。切断面の乱れを0.01mm以下に抑制
・ステントの成形・拡張技術の検討と評価
‐拡張条件を検討し、従来比で大幅に加工歪みを残した高強度ステントを実現。加工硬化型ステント特有の拡張挙動の知見を得た
‐ステント形状変化と特性のシミュレーションを実施も、荷重特性を推定できるレベルには至らず
・コイル式芯入りチューブ加工の検討
‐加工硬化型チューブを試作し、いくつかの手法で直線矯正を行った
‐加工硬化型の高強度チューブの完全直線化は極めて困難であり、レーザ加工機の改善等で補完
‐加工開始時の芯金材とチューブの寸法を変え、肉厚制御のためのデータを蓄積
‐チューブの肉厚精度は、肉厚0.25~0.3mmにおいて±0.015mm程度を確保

水レーザー加工システム
知財出願や広報活動等の状況

新聞:日経産業新聞「東北大VBのクリノ血管内に挿入する医療具ステント強度2.5倍以上に」(H24.4.5)

研究開発成果の利用シーン

開発したステント加工技術により、自己拡張型ステントの薄肉化、高強度化が可能である

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

加工機故障のため事業継続困難となり、事業整理により開発中止

提携可能な製品・サービス内容

技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・耐久性向上→Ni-Ti合金ステントの耐久性向上(定量的効果は未検証)
・薄肉化→Ni-Ti合金ステントの肉厚を66%以下に薄肉化可能
・拡張力向上→Ni-Ti合金ステントの拡張力を2倍向上

拡張力比較(実際の測定結果をもとにしたイメージ図)
今後の実用化・事業化の見通し

事業中止
今後は、これまで蓄積したノウハウをもとに、継続開発可能な企業に対し技術ライセンスアウト及び技術コンサルティングを行う

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 クリノ株式会社
事業管理機関 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構
研究等実施機関 国立大学法人東北大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 クリノ株式会社(法人番号:1370001016197)
事業内容 細胞呼吸活性測定装置の製造販売、アカデミア、事業会社の研究開発シーズ育成・サポート事業
社員数 2 名
本社所在地 〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 東北大学サイクロトロンRIセンターコラボ棟
ホームページ https://www.clino.org
連絡先窓口 テクノロジーデザイン担当(Eメールもしくはwebページのお問い合わせフォームより問合せ下さい。)
メールアドレス pr@clino.org
電話番号 050-3716-5633