複合・新機能材料
ディスプレイの高機能化や端末機器の小型薄型化を実現する超臨界水ナノ粒子合成
大阪府
株式会社アイテック
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超臨界水を用いたナノニッケル微粒子の研究開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 電池、半導体 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ディスプレイ用光学フィルムの高機能化、モバイル端末機器の高機能化、小型化、ニッケル水素電池の高容量化、小型化の実現を期待できる機能性材料としてナノニッケル微粒子が求められている。本研究開発は、超臨界水ナノ粒子合成という新方式で、樹脂、バインダーになじむ有機修飾材を有し、且つ薄膜化、高容量化を実現する高機能性をもつ機能性ナノニッケル微粒子を研究開発する
開発した技術のポイント
ナノ金属ニッケル微粒子の表面修飾材及び処理条件の研究開発
・Ag(銀)並みの高い導電性を有し、導電性接着剤の薄膜化につながるナノ酸化ニッケル微粒子の合成材料の選定、処理条件の検証・実証
・実証機で1kg/日(100g/時)のニッケルナノ粒子の生産量実現(50kg/日の製造量の事業化)を目指す
(新技術)
<ニッケルナノ微粒子導電材>
・分子レベルでナノ粒子を合成し、その表面に有機修飾を施したニッケルナノ微粒子を導電材に使用
特徴
・高い導電性を持ち、かつ透明なフィルムの製造が可能
・フィルムの薄膜化が可能
・粒度分布の均一化が可能など
具体的な成果
・ナノ金属ニッケル微粒子の実用化に向けた成果
-合成対象となる金属ニッケルについて、合成量が1kg/日を超え、かつ生成ニッケルは単相で、粒径は50nm、分散性も良好という複数の目標を同時達成
-今後予定している50kg/日の合成条件においても、スケールアップが可能なところまで到達
・水酸化ニッケルスラリーの投入による合成に成功
-合成過程での重要なブレークスルーとして、従来の原料である酢酸ニッケルに代え、水酸化ニッケルスラリーの投入によって合成を行うことに成功。これにより、配管が閉塞しやすいという問題が解決
・分散性の改善など
-ユーザーテストで、「特に分散性が良好」との評価をいただいた
-水酸化ニッケルの合成については、キャパシタを電極として用いた場合の性能試験を通じ、良好な性能を確認
・事業化に向けた装置開発で進展
-充填排水の循環利用、混合器の改良、ダイアフラムバルブの開発を行い、特に充填排水の利用が良好に動作し、操作性が向上
-ダイアフラムバルブについては目標としていた耐久試験をパスし、実際の使用についても問題なく動作することを確認
知財出願や広報活動等の状況
・特許:ニッケルの製造方法(国際出願番号pcT/Jp2012/073638)
・出展:テクノフロンティア2012(H24.7)、中小企業総会展(H24.10)、大阪勧業展(H24.10)、粉体工業展(H24.11)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に時間がかかる(補完研究中)、H25年度に実用化の見込み
・無償サンプルあり(ナノ粒子分散液サンプル[評価依頼用])
・有償サンプルあり(ナノ粒子分散液サンプル[その他用])
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→ナノ金属ニッケル微粒子が有機系と同等の透明性を有し、かつ高い導電性を有するフィルムの薄膜化を図るための合成材料
・精度向上→ナノ酸化ニッケル微粒子がAgに匹敵する高い導電性を有し、導電性接着剤の薄膜化を図るための合成材料
・小型化→ナノ水酸化ニッケル微粒子が高い比表面積を有し、かつ電池の小型化を図るための合成材料
今後の実用化・事業化の見通し
継続的に研究開発を進めつつ川下企業へ試作品を提供し、評価を実施
・微粒子化に成功しつつも、微粒子の性状が異なるため、継続的に研究開発を進めつつ川下企業へ試作品を提供し、評価を実施してもらっている
・試作品による川下企業での評価が先決課題であるが、その他にも、展示会、ウェブサイト、学会などの専門誌掲載などを通じて販促中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アイテック |
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事業管理機関 | 株式会社アイテック |
研究等実施機関 | 関西触媒化学株式会社 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アイテック |
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事業内容 | 有機・無機ハイブリッドナノ粒子合成装置の販売、超臨界二酸化炭素抽出・洗浄装置の販売、高温溶融無害化装置の販売 |
本社所在地 | 〒590-0984 大阪府堺市堺区神南辺町4-132-1 |
ホームページ | http://www.itec-es.co.jp |
連絡先窓口 | 製造グループ技術部長 松下馨 |
メールアドレス | mac@itec-es.co.jp |
電話番号 | 072-226-8853 |
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