立体造形
薬物先端部搭載型による育毛活性効果マイクロニードルの開発
京都府
コスメディ製薬株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 薬物先端部搭載型新規マイクロニードルの開発とその育毛製剤への応用 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、化学品製造 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
生体溶解性物質を用いる医療用マイクロニードル製剤において、高価な蛋白質薬物をマイクロニードル針部に高度濃縮搭載し、皮膚適用時に安定して定量的に薬物が体内投与できる新規経皮吸収製剤を開発する。さらにその製剤を応用して新規育毛活性を有する蛋白質を針部に搭載した育毛マイクロニードル製剤を開発し有効性試験、安全性試験を経て臨床試験への進捗を目的とする
開発した技術のポイント
薬剤を針部先端部に濃縮した育毛蛋白用の新規マイクロニードルを開発
・マイクロニードルの成形性・皮膚削刺性・薬物皮膚内放出性に優れた材料の選定
・皮膚の適切な深さに挿入可能なマイクロニードルのサイズを決定
・マイクロニードル針部への薬物の高濃度かつ定量的搭載方法の検討
・育毛蛋白用マイクロニードル製剤の開発とパイロット製造体制の整備
(新技術)
<薬物先端部搭載型マイクロニードル>
特徴
・薬剤は針部先端部に濃縮
・薬剤の経皮投与利用率=100%
・mN製剤化により痛みなく投与可能
具体的な成果
・医療用マイクロニードルの新規素材開発、サイズ設計、充填方法確立
-育毛蛋白(pEDF)を頭部へ投与するためのマイクロニードル材料として「ヒアルロン酸+デキストラン+ポリビニルピロリドン」が最適なことを確認
-鋳型成型法により多種サイズのマイクロニードルを作製・評価、候補を絞り込む
-pEDFを効率的にマイクロニードル先端部に高濃度・定量的に搭載する方法を確立
・マイクロニードル投与法の安全性確認、生産条件の最適化を実現
-マイクロニードル投与法に関しGLp準拠施設において安全性試験(皮膚一次性刺激試験、皮膚累積刺激性試験、皮膚感作性試験)を実施、いずれも問題がないことを確認
-パイロット生産用装置を使用してマイクロニードル製造のための運転条件を検討、安定した品質の生産条件を最適化
・pEDFマイクロニードルの育毛活性を確認
-育毛剤マイクロニードルのパイロット製造を実施、脱毛動物モデルを使用する実験によりpEDFマイクロニードルによる育毛活性を確認、pEDF必要量を決定
-育毛用pEDF製剤の規格・試験方法・仮規格値を設定し、安定的製造条件を確立
知財出願や広報活動等の状況
特許:「pEDFマイクロニードルアレイ及びその製造方法」(pcT/Jp2012/128363)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年に実用化に成功、事業化に時間がかかる
・サンプルなし装填し育毛効果を確認中
製品・サービスのPRポイント
新素材・新方式・新製法等の実現→20μg/パッチのpEDFを含有するマイクロニードルはモデル脱毛マウスに対し著しい発毛効果をもたらした
今後の実用化・事業化の見通し
4種pEDFオリゴペプチドにより育毛実験実施予定
・本製品の他社育毛剤との比較を実施するため、ミノキシジルとカルプロニウム塩化物(いずれも他社育毛剤の主成分)を入手してマイクロニードル装填し育毛効果を確認中
・pEDFそのもののみならず構成オリゴペプチドにおいても育毛活性が発現することを確認(オリゴペプチドは化学合成可能でありより安価、より安定)。現在は4種pEDFオリゴペプチドを化学合成中である。4種のオリゴペプチドを得てマイクロニードルに搭載し育毛実験実施の予定
・事業化に向かって原料コスト、製造コスト、予測販売価格等を試算し、最重要ファクターである原料コストの低減に関する検討を優先して今後の開発事業化を進める。オリゴペプチドを合成し育毛活性を評価して適切な装填量を決定し製品化へと結び付ける
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | コスメディ製薬株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人京都高度技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | コスメディ製薬株式会社 |
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事業内容 | 経皮吸収製剤に関連する開発・製造・販売、マイクロニードルに関連する開発・製造・販売 |
本社所在地 | 〒601-8014 京都府京都市南区東九条河西町32 |
ホームページ | http://www.cosmed-pharm.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 神山文男 |
メールアドレス | kamiyama@cosmed-pharm.co.jp |
電話番号 | 075-950-1510 |
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