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立体造形

コスト1/2、寿命2.5倍!新VaRTM工法による航空機用複合材成形治具

岐阜県

株式会社ヤシマ

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 航空機用複合材成形新VaRTM製治工具の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 航空・宇宙
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

最新の航空機には炭素繊維部品による1次構造部材が多く採用されている。この炭素繊維部品をオートクレーブで加圧・加熱成形する際に型の反対側にも平滑面をつくるためカウルプレートを使用する。これまではカウルプレートもオートクレーブで製作されていたが多くの課題がある。本研究はカウルプレートを新しいVARTM法により製作して治工具費の低減、品質向上による補修費等の低減を目指すものである

開発した技術のポイント

新VaRTM法により大型カウルプレートを製作、低コスト化、品質向上を目指す
・低コスト化→オートクレーブ成形に比べ50%減
・耐久性→従来プリプレグに比べ2.5倍以上長寿命化
・高品質→気泡率(ボイド)1%以下
(新技術)
<新VaRTM工法>
特徴
・内部にボイドのない高品質な治具の実現
・余剰樹脂がなくなる(20~30%削減)
・流動解析による試作回数の減少

具体的な成果

・基礎試験パネルを製作、耐久性2.5倍、従来と同等の熱膨張率を確成形性評価、樹脂流動性解析を実施
‐カウルプレート材料である炭素繊維織物から平面形の基礎試験パネル(1m×0.5m程度)を製作して成形性データと樹脂流動性データを取得
‐耐久性と熱膨張率を評価、耐久性は従来の2.5倍以上の長寿命化を確認、熱膨張率は従来と同一
・成形性評価、樹脂流動性解析を実施
‐カウルプレートに適した成形方法を確立、また浸透膜を使用せずシリコンゴムを使用して要求実現する方法を考案
‐解析ソフトによる樹脂流動性解析の結果を基礎試験による流動性データと比較し精度を検証。結果、実験とよく合致するインプットデータを決定
‐この結果を用いて、大型パネル含浸方法を設定
・大型カウルプレートの成形に成功、コストダウンを実現
‐3m×8mのカウルプレートの成形に成功
‐従来のオートクレブ成形と比較して約50%以上のコストダウンを実現
‐C-Scan検査とマイクロX線検査、および断面顕微鏡観察により内部に有害な気泡(ボイド)がないことを確認
・ガラス転移点試験結果(耐久性評価)
〜VaRTM注入成型樹脂(TypeC)のTg点については、ヒートサイクル(HT)の影響はなく、かつ成型温度より高いという結果を得た。一方、従来のカウルプレートに使用されているプリプレグ
(TypeB)の場合には、成形温度である185℃より低く、ヒートサイクルによる熱劣化の影響が認められた。この結果、今回開発のVaRTM樹脂について、2.5倍以上の長寿命化を確認〜

知財出願や広報活動等の状況

特許:「真空成形法およびそれによって成形された繊維強化樹脂製品」(特願2012-015239号)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・表面状態に課題あり、解消すればH25年度以降事業化見込み
・胴体バレル成形用のカウルプレートのサンプルあり(有償)

製品・サービスのPRポイント

・耐久性向上→2.5倍以上の耐久性を実現
・新製法等の実現→VaRTM工法を確立
・低コスト化→成形コストを半減

今後の実用化・事業化の見通し

H25年度中に事業化を目指し、補完研究を継続
・表面仕上げについて川下企業の評価を受けており、若干の改良研究を実施中
・今後、カウルプレートを事業化するために必要とされる事項について研究を継続
・H25年度中に事業化を目指す。事業化後は、さらに新型機への適用を図る。また、従来のオートクレーブでは製造困難な長尺製品を開発する

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ヤシマ
事業管理機関 公益財団法人岐阜県研究開発財団
研究等実施機関 株式会社ビー・アイ・テック

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ヤシマ
事業内容 航空機部品加工・航空機治工具製作・半導体製作設備用製缶部品
本社所在地 〒504-0801 岐阜県各務原市蘇原北山町1-15-6
ホームページ http://www.yashima-mfg.co.jp
連絡先窓口 生産管理部取締役生産管理部長 中島薫
メールアドレス nakashima-ka@yashima-mfg.co.jp
電話番号 058-382-1151