文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 従来の面積1/3、穴面積1/4、連結穴数3倍!チップ抵抗器基板への精密打ち抜き金型

精密加工

従来の面積1/3、穴面積1/4、連結穴数3倍!チップ抵抗器基板への精密打ち抜き金型

岐阜県

大垣精工株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 セラミックスシート(チップ抵抗器基板)への微小ピッチ,極微細孔の精密打ち抜き金型の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 情報通信、スマート家電、半導体、光学機器
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

携帯電話、デジタルカメラ等を主としたモバイル機器及びノートパソコン等においては、小型・薄型・省エネ化が近年ますます加速されてきた。こうした背景の下で、従来の製品比で面積:1/3、穴面積:1/4、連結穴数:3倍等といったダウンサイジングニーズに応えるべく、IT機器には欠かせないチップ抵抗器用基板の量産工法としてプレス成形加工用精密金型の研究開発を行う

開発した技術のポイント

セラミックスシートへの微小ピッチ、極微細孔の精密打ち抜き金型の開発
・シートあたりの製品取り数→0.36mm×0.23mm(面積比1/4)
・連結角穴サイズ→1,276個/シート(面積比1/3)
・1シートあたりの連結穴数→3,894個(約3倍増)
・V溝と穴間のズレ量→0.03mm以下
(新技術)
<セラミックスシート(チップ抵抗器基板)への微小ピッチ,極微細孔の精密打ち抜き金型>
特徴
・製品取り数/シート:3倍
・連結穴数:3倍
・連結穴サイズ:面積比1/4
・完全プレス化(切削レス)

具体的な成果

・1シートあたり製品取り数1,276個、連結穴数3,894個の試作順送金型を設計・製作
‐金型の構造設計、加工技術の高度化、実験用金型によるプレス成形性向上等の技術を開発
‐上記を元に、1シートあたり製品取り数1,276個、連結穴数3,894個の試作順送金型を設計、製作
・試作順送金型の最適プレス動作条件を解明、検証
‐製作した試作順送金型により、脆弱なセラミックスグリーンシートの硬度バラツキに十分対応でき得る最適なプレス動作条件を確認
‐さらに、最適なプレス動作条件による連続加工を実施し、連続加工によるセラミックスグリーンシートの成形性について検証
‐結果、V溝のズレ量0.03mm以下という目標を概ね達成(最大ズレ量0.032mm)
・金型耐久性を評価し、チッピングが無いことを確認
‐量産化に向け、試作順送金型の連続加工で金型耐久性を評価
‐目標である金型構成主要部品にチッピングが無いことを確認できた
・最適なプレス動作条件の検証:V溝の最大ズレ量、Xスリット平行度
〜V溝の最大ズレ量は条件Gが最も良く、Xスリット溝平行度も、条件Gが最も良い。最適なプレス動作条件を条件Gであると決定〜

知財出願や広報活動等の状況

・論文:日比庸之「セラミックスグリーンシートの穴あけ加工における変形挙動」(H24,6)
・新聞:日刊工業新聞(H23.9.2)(H24.3.19)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功、H25年度に事業化
・川下企業に対して焼結加工後の製品評価等を依頼することの出来る試作サンプルあり(有償)

製品・サービスのPRポイント

・小型化、軽量化→開発したセラミックス製超小型チップ抵抗器基板は、従来製品に比べ面積1/3、連結穴面積1/4等々の小型・軽量・薄型化を実現
・量産化→安価な製法として知られるプレス成形が可能になった事により、1シートあたりの製品取り数は従来製品の約3倍。また、生産ライン内での省人化が可能に
・省エネルギー化→製品材料費の大幅な削減(材料費2/3削減)が可能。また、大幅な生産効率化に伴う省エネ(電力等)が可能

今後の実用化・事業化の見通し

補完研究、川下事業者での評価を経て、H25年の事業化を目指す
・H24年度は補完研究として、セラミックスグリーンシートの塑性流動に関する研究、プレス成形性向上に関する研究を推進。さらに量産性を考慮した次の目標値を0.026mm以下と設定し、技術的課題に関する研究を推進
・現在、川下事業者にて試作サンプルを焼結等の後加工をした場合に、実用化に耐え得るか否かの評価を実施
・H25年4月からの事業化を目指す。また、この技術の成果はセラミックスのみにとどまらず、脆弱軟材全般に転用できるものと考えられ、フィルム・ゴム・医療分野等々の分野に事業展開をはかる

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 大垣精工株式会社
事業管理機関 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター
研究等実施機関 国立大学法人岐阜大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 大垣精工株式会社
事業内容 各種電機・電子機器用精密順送金型・超硬順送型・医療用機器・FB金型・ニューセラミックス金型の設計製作販売及び輸出精密治工具・超精密金型機械部品・排気ガス用ハニカム
本社所在地 〒503-0945 岐阜県大垣市浅西3-92-1
ホームページ http://www.ogakiseiko.co.jp
連絡先窓口 営業部部長代理 森本高根
メールアドレス t-morimoto@ogakiseiko.co.jp
電話番号 0584-89-5811