接合・実装
PLC機能を組み込んだケミコンレス方式によるLED照明の高度化・長寿命化・小型化の実現
東京都
株式会社タキオン
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 長寿命、高効率かつ高付加機能を持つ次世代LED照明の技術開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 情報通信、スマート家電、光学機器 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
LED照明の製品化が活況であるが、駆動回路部に対する小型化が強く望まれている。従来のE26口金型電球よりE17型の需要が多いからである。E17型でLED本来の長寿命・高効率を生かすにはLED駆動回路部の小型化・高集積化が必要であり、併せて多機能化・高機能化が期待されている。PLC(電力線通信)機能を持たせることで建物全体での省エネ制御(調光・消灯)、用途に応じた発光波長(調色)の制御が可能となり、LED照明はさらなる新化を遂げるものである
開発した技術のポイント
新規駆動回路、高集積基板の開発によるLED製品の小型化・多機能化の実現
PLC機能を導入した完成体ランプについて
・効率→電力変換効率80%以上
・輝度→5Wの自己消費で、60W(白熱球換算)の輝度
(新技術)
次世代LED電球
・ケミコンレス駆動方式により長寿命
・PLC制御を伴う調光調色機能により、様々な色の表現が可能
具体的な成果
・ケミコンレス方式の駆動装置を開発
‐ケミコンレス方式はアナログによるPWM制御が基本であるが、同時にデジタル方式の導入を検討した。デジタル方式では、制御回路の消費電流を10mA以下のオーダにしなければ電源としての効率が低下するが、精密でリニアな調光が可能である
‐低電圧の電源入力用回路を試作し、LEDの駆動状況を確認した。実使用時に電力変換効率80%以上を期待できることを確認した
‐デジタル制御用のドライバチップを開発した。開発したのはPFC回路付きケミコンレス駆動方式ドライバIC(AC入力)のほか、調光機能付きLEDドライバ、オペアンプとMOSFETを評価するための試験チップ等である
・PLC回路の組み込み
‐PLC-IC単体では必要な入出力信号を得られないため、局部発振器とI/Oデバイスを含めたモジュールを完成
‐PLC回路モジュールと、ケミコンレス方式の駆動ICを組み合わせ、電球筐体に内蔵することを可能とし、従来基板より面積比40%以上の削減を達成
・LEDランプとして試作を行い、十分な機能があることを確認
‐詳細な色味を指定できる調色制御ソフトウェアにより、LEDの発色を制御。単色LEDでは困難であった黄色へのシームレスなシフトにも対応
‐LEDランプとして電力変換効率80%以上、消費電力6W以内、筐体表面で50℃以下の目標を達成したほか、力率は75%に達した
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25~27年度頃の実用化に向けて補完研究中
・調色電球サンプルあり(ケミコンレス方式PLC制御LED電球)
製品・サービスのPRポイント
・耐久性向上→デジタル回路以外の部分で電解コンデンサを使用しないケミコンレス方式により、実使用50,000時間の長寿命
・新方式の実現→電力線搬送通信(PLC)により、リモコンでは不可能であった一斉制御を可能とした
・小型化→PLC機能を持つケミコンレス方式の採用により、回路が占める体積を小さくすることができた
今後の実用化・事業化の見通し
デモシステムを活用し広報活動を実施
・サポイン事業終了後は、電球以外のLED照明への応用を検討している。プロジェクト中に作成したPLC電球デモシステムを活用し、各所で広報活動を行っている
・プロジェクト中は制御駆動回路モジュールとして開発を行った。基本的にこれを継承して研究開発を行っていくが、さらなるローコスト化と小型軽量化の検討を行う
・今後の事業化検討にあたっては、量産基板によるローコスト製品生産を想定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社タキオン |
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事業管理機関 | 株式会社タキオン |
研究等実施機関 | 株式会社TMリンク 学校法人慶應義塾 大学院 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社タキオン |
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事業内容 | 各種電子機器の開発、設計、製造、販売 |
本社所在地 | 〒141-0021 東京都品川区上大崎4-5-18 |
ホームページ | http://www.takion.jp |
連絡先窓口 | 開発部 開発部長 小串憲明 |
メールアドレス | kogushi@takion.jp |
電話番号 | 03-3495-4801 |
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