立体造形
明環境下でも優れた視認性を有するプロジェクター用DLCフロントスクリーンを開発
宮城県
小糸樹脂株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 拡散光制御(DLC)理論に基づくフロントスクリーンの超精密成形技術を基盤とする製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 情報通信、スマート家電、光学機器 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来のプロジェクター用スクリーンは暗所使用を前提とする為、手元資料の確認がしづらい等の問題があった。これに対し、本開発では東北大学大学院工学研究科内田研究室で確立したプロジェクター用フロントスクリーンの製造技術を確立し、明るい環境でも圧倒的に高いコントラストと優れた視認性を有するスクリーンを実現する。具体的には、ナノレベルの微細形状を付与したプラスチックフィルム、微細形状への部分反射膜形成、当該フィルムと拡散フィルムを貼り合わせる製造技術を確立する
開発した技術のポイント
メーター級サイズ(W1,000mm×H800mm)のDLC(拡散光制御)フロントスクリーンの作製
【作製仕様】
・UV硬化樹脂を用いたロール転写方式→ロール転写後の形状ピッチ100μm±1%、反射面角度15.7度±1%
・部分成膜→成膜率:理想面に対して±10%以内、反射率91%、膜厚80~150nm
・光吸収層→吸収率:99%以上、膜厚:100μm±10%
・貼合技術→異物の付着及び気泡の有無:作成する限度見本による
(新技術)
拡散光制御理論(DLC)に基づくフロントスクリーン
特徴
外光が投射反射光から分離され、良好な視認性を確保できる。よって、
・明るい環境下(照明点灯、或いは屋外等)でも視認可能になり、ロケーションフリーなアプリケーンなど(屋内スクリーンは勿論、携帯スクリーン、広告表示機等のサインシステム等)裾野の広い展開が見込まれる
・更に、消費電源の低減が図れ、映像光源の寿命を延ばすことができる。このことから、高度情報社会への高い貢献が期待できる
具体的な成果
・UV硬化樹脂を用いたメーター級ロール転写技術の確立
‐メーター級UV式ロール転写装置及び簡易UV式ロール転写装置を導入し、ロール金型に形成された鋸歯微細構造をUV硬化樹脂にロール転写する技術を自社内に確立し、メーター級サイズDLCフロントスクリーンの作成を実現した
‐導入設備において各種転写パラメーターを変更して転写を行い、その転写形状の測定および観察から転写パラメーターの変化が転写形状に大きく影響を与えないことを判明させ、製造条件の許容範囲を拡大した
・部分成膜、光吸収層、貼合技術を開発
‐高反射金属の蒸着成膜における蒸着方法の検討により、転写フィルム全面にわたってDLCフロントスクリーン光学特性の発現に必要な金属膜厚の成膜と、選択的部分成膜を可能にした
‐光吸収材料の最適化を行い、反射面となる金属蒸着膜に悪影響を及ぼさない光吸収材料を選定した
‐貼合サンプル作製結果により、市販されている枚葉式貼合機によってメーター級の転写フィルムおよび各種光学フィルムを貼合できる可能性を示した
・130インチサイズDLCフロントスクリーンの作製に成功
‐メーター級UV式ロール転写装置で作製した転写フィルムによるメーター級サイズDLCフロントスクリーンを複数枚使用し、130インチサイズDLCフロントスクリーンの作製に成功した
・反射板形状の設計およびスクリーン評価技術の習得
‐表面形状による拡散反射制御について、計算ファイルを使用し所望する光学特性の反射板形状を導出可能にした
‐スクリーンの評価項目、評価パターンを検討し、メーター級サイズDLCフロントスクリーンの評価ができる見通しを得た
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度にメーター級サイズのDLCフロントスクリーンの試作に成功。事業化のためのコストダウンを含む量産化技術確立に時間を要している
・試作サンプルあり(有償);70inch×3台・130inch×2台(専用展示フレーム1台)
製品・サービスのPRポイント
・複雑形状化
・低コスト化
・歩留まり向上・ロス削減等
今後の実用化・事業化の見通し
H25年の販売開始に向け、補完研究を継続
・コストダウンのために製作した新規ロール金型を用いた転写技術の確立とその際に製作される転写フィルムの評価、およびその転写フィルムを使用する新たなDLCフロントスクリーン構成の検討を補完研究として継続中である
・新規ロール金型で作製した転写フィルムを用いるDLCフロントスクリーンにおいては、製品化のための性能評価、耐久試験等を行っていく
・H25年には既存の金型によるDLCフロントスクリーンを使用し、展示会場等へのレンタルビジネスを事業として開始する。H26年以降には新規金型によりコストダウンを行った新規DLCフロントスクリーンを用いて、屋内スクリーンに限らず携帯スクリーン・広告表示サインシステムなど多岐にわたる応用製品へ順次展開し販売を行っていく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 小糸樹脂株式会社 |
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事業管理機関 | 東北イノベーションキャピタル株式会社 |
研究等実施機関 | 株式会社リードテック 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター 国立大学法人東北大学 大学院工学研究科川又研究室 宮城県産業技術総合センター 独立行政法人国立高等専門学校機構仙台高等専門学校 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 小糸樹脂株式会社 |
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事業内容 | プラスチック製品加工販売 |
本社所在地 | 〒983-0004 宮城県仙台市宮城野区岡田西町3-25 |
ホームページ | http://www.koito-j.com |
連絡先窓口 | 製造部/開発室製造部副部長兼開発マネージャー 阿部晃一 |
メールアドレス | koi_abe@koito-j.com |
電話番号 | 022-288-6188 |
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