立体造形
鋳物の劣悪作業環境を改善!粉塵を抑えるウォータージェットバリ取り装置
北海道
株式会社村瀬鉄工所
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 鋳物製造における劣悪作業改善・作業効率向上させる低負荷環境型バリ取り装置の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車、工作機械などの川下産業では、鋳物のグローバル調達化が進み、鋳物メーカーに対するコスト低減要請が益々厳しくなってきた。大企業では、自動化によりコスト低減が図られているが、小ロット中心の鋳物メーカーでは、人手に頼らざるを得ず、コストダウンに限界がある。本研究では、鋳物製造における劣悪作業改善・作業効率向上させる低負荷環境型バリ取り装置を開発し、重筋、振動を伴う作業の効率化、作業環境の改善を図る
開発した技術のポイント
鋳物製造における劣悪作業改善・作業効率を向上させる低負荷環境型バリ取り装置を開発
・ウォータージェットバリ取り装置の開発→騒音:環境基準値50dbまで低減
・バリ取り装置制御技術の開発→10トン当たりの作業量:40H→8H(1/5)
・水処理装置の開発→水処理工程において鋳物砂10%回収
(新技術)
<ウォータージェットによる砂落し、バリ取り>
特徴
・熱影響を受けず、粉じんが発生しにくいため、振動装置や集じん機が不必要
・作業環境の騒音指標の低減(100db→50db)(周辺地域の環境基準A類型(専ら住居の用に供される地域)=55db以下)
・作業効率とコスト削減が可能となり、従来の作業の効率化、劣悪環境の改善
具体的な成果
・大型・小型鋳物用ウォータージェット切断装置を開発、作業環境を改善
‐厚さ90mm程度の湯口まで切断が可能な大型鋳物用ウォータージェット切断装置を開発、また小型鋳物のバリ取りに適用が可能な小型鋳物用ウォータージェット切断装置を開発
‐ウォータージェット切断機の改修を行い、高圧水吐出量増加、砥粒最大量増加、砥粒径増により切断力を約4倍に向上
‐従来のバリ取り作業と比較して、湿式であり粉塵が舞わず、作業環境が改善
・ウォータージェット切断噴射ノズル用耐摩耗材料、ならい制御装置を開発
‐ウォータージェット切断噴射ノズル用耐摩耗材料を開発、滑り摩耗は炭素鋼と比較して5倍、エロージョン摩耗は一般鋳鉄の10倍の耐摩耗性
‐大型鋳物用のならい制御装置を開発、さらにウォータージェット本体とロボットの連動、切断後の自動終了などマンマシンインターフェースを改良、従来の11工程を6工程短縮
・防錆剤の効果、水回収・再利用可能性を確認
‐防腐剤や切削油を添加した吐出水を使用することで、ウォータージェットバリ取り作業における鋳物の防錆を確認
‐一度使用した切削水の回収装置、砥粒沈殿槽を設け、濾過によって、切削水の再利用が可能に
・切断力向上のテスト結果
~切断速度50mm/minでの最大切断厚さを従来の条件と、改造後の条件とで比較。高圧水吐出量増加、砥粒最大量増加、砥粒径増により切断力が約4倍に向上~
知財出願や広報活動等の状況
出展:26th北海道技術・ビジネス交流会ビジネスEXPO(H24.11)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H28年度の実用化に向け、補完研究を継続
・ウォータージェットバリ取り装置の試作機を所有しており、各種切断・バリ除去試験など可能(無償)
製品・サービスのPRポイント
作業環境改善→鋳物産業における作業環境の一定の改善達成と既存工程に近い生産能力の基礎的条件を確立
今後の実用化・事業化の見通し
H28年度の実用化に向け、補完研究を実施
・鋳物ごとに発生するバリに対しての倣い制御の簡略化、バリ発生に適合した治具の開発、レアアースなど高価な材料を含まない安価な耐摩耗材料ノズル製造へ向けてのコスト削減などの補完研究を実施中
・事業化においては、補完研究の進行状況および販売形態などを調整しH28年度が目標
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社村瀬鉄工所 |
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事業管理機関 | 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 |
研究等実施機関 | 佐藤鋳工株式会社 国立大学法人室蘭工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社村瀬鉄工所 |
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事業内容 | 上水用、下水用、ガス用、ポンプ用、ダクタイル鋳鉄異形管製造 |
本社所在地 | 北海道函館市昭和1-34-1 |
連絡先窓口 | 札幌工場品質保証部長 八重樫利之 |
メールアドレス | yaegashi@murase-cast.co.jp |
電話番号 | 011-791-1187 |
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