複合・新機能材料
低コストでフレキシブルな有機薄膜太陽電池の実用化を促進するn型半導体の高性能化技術
神奈川県
FLOX株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 有機薄膜太陽電池用n型半導体の高性能化および実用化に向けた技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、電池、半導体 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
FLOX社では、平成19~20年度に実施したNEDO新ベンチャー技術革新事業(太陽光発電)によってレドックス特性および配向性を制御したフラーレン系N型半導体を開発しバルクヘテロ接合型光電変換デバイスの短絡電流密度(JSC)と開放電圧(VOC)を向上させる可能性を見出している。本研究開発では、太陽電池の要求特性に合わせて組成の最適化を行うとともに、フラーレン系N型半導体材料の実用化に必要な低コスト製造技術を開発する
開発した技術のポイント
有機薄膜太陽電池の実用化に向け、性能向上技術と製造コスト低減技術の開発
・レドックス特性および配向性に優れたフラーレン系n型半導体の開発
→開放電圧(Voc)10%以上向上、短絡電流密度(Jsc)20%以上
・量産性に優れた高性能n型材料の製造技術の開発
→向上製造コスト:10,000円/g(従来のPCBM(フラーレンの誘導体)の1/5)
(新技術)
次世代有機系太陽電池
・光電変換効率:(△)⇒◎
・製造コスト:(△)⇒◎
・重量:◎
・耐久性:(△)⇒◎
・柔軟性:◎
・資源問題:◎
・敷設制限:◎
・発電規模:中
具体的な成果
・レドックス特性、配向性に優れたフラーレン系n型半導体の開発
‐インドリノ型フラーレンの化学修飾またはPCBM型フラーレンに近接電子対効果を賦与することによって、レドックス特性に優れた低還元電位のフラーレン誘導体を合成
‐低表面自由エネルギー基板を用いた配向性評価技術により、フラーレン誘導体の配向性制御を評価し、電子キャリア移動度に優れたフラーレン系有機n型半導体を開発
・フラーレン誘導体のレドックス制御によりBHJセルのVocを12%増加
‐ソーラーシミュレーターでの光照射下で、フラーレン誘導体のBHJセル用n型半導体特性を評価
‐結果、フラーレン誘導体のレドックス制御を用いてBHJセルのVocを12%増加、光電変換効率(η)を6%以上増加
‐12cm角ガラス基板上に予想出力12mA、6Vのモジュール化によるデモパネルを作製
・高性能n型材料の製造コストを20%削減
‐フラーレン中間体の製造とn型材料に変換するための化学反応プロセスを同時に行うことでプロセスの簡略化と収率の向上を試みた
‐粗原料(B200)58.6gからC60Oを16.3g(収率27.8%)単離・精製することを可能にし、従来法に対して製造コストの20%削減を達成
知財出願や広報活動等の状況
・論文:田島右副, 「フラーレン系n型半導体の開発と有機薄膜太陽電池への応用」, 太陽エネルギー学会誌, 35(6), 25, 2009. Numata,Y., Kawashima J.,Tajima, Y., "One-pot Synthesis of Indolino [20,30:1,2] [60]fullerenes from Fullerene Epoxide: Lewis Acid-assisted Nucleophilic Addition Followed by Intramolecular Cyclization", Chem. Lett., 37 (10) 1018-1019, 2008.
・出展:nano tech 2011(H23.2)、nano tech 2011(H22.2)
研究開発成果の利用シーン
有機n型半導体材料として有機薄膜太陽電池の活性層に用いることで、開放電圧が上昇し、光電変換効率の向上が見込める
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化に向け、補完研究を継続
・4 -Methoxy Substituted Indolino[60]Fullereneのサンプルあり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・新素材の実現:開発したフラーレン誘導体は、第一還元電位が従来品よりも約2%低く、有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上
・低コスト化:従来品の価格(約10万円/g)の10分の1以下
今後の実用化・事業化の見通し
H25年度の商品化を目指し、サンプル提供等を実施
・現在、試作品の改良研究とデバイス評価を実施
・H23年度から改良品の一部を試験研究機関や電機メーカーの研究所にサンプルを提供し、各デバイス方式に合わせたn型半導体材料を開発する
・H25年度の商品化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | FLOX株式会社 |
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事業管理機関 | FLOX株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | FLOX株式会社 |
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事業内容 | 電子材料や医療薬品などの分野において特異な機能を発現するフラーレン誘導体をテーラーメードで開発することによって、ナノカーボンテクノロジーの発展と普及に貢献。フラーレンに関する商品開発コンサルティングから共同研究、受託研究・合成などを実施 |
本社所在地 | 〒210-0858 神奈川県川崎市川崎区大川町7-3 |
ホームページ | http://www.flox.jp |
連絡先窓口 | 和光テクニカルセンター 田島右副 |
メールアドレス | tajima@flox.jp |
電話番号 | 048-450-1733 |
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