精密加工
温間プレス成型による波状交差突起の配置によりHV自動車の熱交換器を小型化・軽量化
埼玉県
有限会社和氣製作所
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | SUS材に波状交差突起を温間プレス成型する加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車の暖機時間の短縮して燃費向上を図るため排気ガス熱を回収して、オイルや冷却水を温め、摩擦損失を軽減するための開発が行われている。排気ガス熱回収器はフィン付チューブ型が一般的であるが容積と重量が大きい欠点がある。この熱交換器のフィンを排し、チューブの高性能化を図り、排気ガス回収用熱交換器の小型化軽量化を図る。チューブの高性能化を図るため壁面に波状交差突起を成型して空気側への放熱特性を増加する
開発した技術のポイント
波状交差突起による熱交換器の性能向上、小型化
・温間プレス工法によるSUS材の加工後のスプリングバック防止
・量産金型の波状交差突起の加工時間の短縮
・波状交差突起のチューブ壁面上への配置による熱交換器の小型・軽量化(体積:従来の50%以下)
(新技術)
扁平チューブ局面に波状交差突起を加工
・量産仕様に合わせた形状と性能設計が可能
・金型加工技術が確立
・SUS材の成形が可能
・熱交換器の性能が向上
具体的な成果
・温間プレス工法によるスプリングバック防止効果を確認
‐SUS材の加工後のスプリングバックを防止する温間プレス工法を開発
‐温間プレス工法では、加熱温度に比例して、供試品の突起の高さが増加していることを確認
‐結果、加熱温度に比例して、スプリングバックが減少することを解明
・波状交差突起の加工時間の短縮に資する表面処理工法の確認
‐従来のエンドミル切削工法による表面処理と比較して、電子ビーム工法やメッキ工法による表面処理後の被加工面が滑らかであることを確認
‐これらの工法を利用することにより、エンドミルでの仕上げ工程を省略でき加工時間の短縮が図れる。また、さらに表面硬さが増すことから、耐摩耗性の向上も期待できる
・波状交差突起のピッチの大きさと放射性能の関係を確認
‐波状交差突起をチューブ壁面上へ配置
‐波状交差突起のピッチが大きくなるとチューブ面上の密度が粗くなり放熱性能は低下する傾向にあることが判明
‐駒型の加工はピッチが粗くなると容易になり加工精度は高くなるが、工数は増大する
知財出願や広報活動等の状況
論文:「極薄ステンレス板の冷間・温間成形のスプリングバック」
研究開発成果の利用シーン
HV車や燃料電池等の排熱回収器を小型化・軽量化(従来比30%軽量化)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功し、H26年度の事業化に向け活動中
・熱交換器の試作機あり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・小型化:従来品と比べ30%小型化
・低コスト化:小型化が可能であり低コスト化を実現できる
今後の実用化・事業化の見通し
H26年度の事業化を目指し、研究開発を継続
・現在、川下企業へ試作品を提供し、性能評価・耐久試験を実施している
・さらなる性能向上するために研究開発を継続
・H26年度の事業化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社和氣製作所 所沢工場 |
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事業管理機関 | 有限会社和氣製作所 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東京大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社和氣製作所 |
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事業内容 | 精密金型・精密プレス加工・試作品製造・熱交換器製造 |
本社所在地 | 〒359-1106 埼玉県所沢市東狭山ヶ丘6-760 |
ホームページ | http://waki-ss.co.jp |
連絡先窓口 | 専務取締役 和氣庸人 |
メールアドレス | w-tune@waki-ss.co.jp |
電話番号 | 042-922-5431 |
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