接合・実装
大電流に対応し、高い耐久性を持つ電気接触子を開発
東京都
サンユー工業株式会社
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 車載等半導体パワーデバイス用の大電流対応型電気接触子の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上) |
キーワード | 接触子 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
次世代エネルギーの利用で、半導体パワーデバイスの需要が急増している。パワーデバイスの電気的検査工程では検査用接触子が高電圧、高電流によってはんだ等の付着による高抵抗や削れ等耐久性が課題となっている。ダイヤモンドは、高い硬度、異物が付着しにくい、ホウ素ドープで導電性、高い熱伝導率といった、大電流・大電圧用接触子に最適な特性を有する。導電性ダイヤモンド膜で被覆した耐久性のある接触子を開発する
開発した技術のポイント
・ダイヤモンド製膜→電気抵抗値50mΩ以下の銅系のLコンタクト接触子に、導電性ダイヤモンドを作成
・接触抵抗値→20mΩ以下・寿命→通電(200アンペア)試験では1,000回、通電しない機械的転写では100万回
(新技術)
<新開発する電気接触子>
・硬度、熱放射率に優れるとともに、物が付着しづらく、ホウ素をドープして導電性のあるダイヤモンド膜を使用
・耐摩耗性・作業性に優れ、長寿命である
・大電圧・大電流に対応することが可能
具体的な成果
・製膜実験による条件の探索
‐接触子の素材はタングステン(W)、ベリリウム銅(BeCu)を選定し、実績のある自社製品を基本として、製膜の安定性や通電能力を確認し、先端接触面形状や表面処理を検討
‐ダイヤモンド薄膜の低抵抗化のため、ガス濃度を綿密に制御する必要があること、ボロン濃度の基準として1023cm-3を示す条件を見つける必要があることを確認
‐溶融したはんだにダイヤモンド薄膜を浸積させた結果、異物の付着抑制効果があることを確認
・CVD装置による製膜条件の把握
‐シリコン基板へのダイヤモンド成膜、ベリリウム銅平板において成膜を行いダイヤモンドが膜状に成膜できることを走査型電子顕微鏡とラマンスペクトルから確認
‐フィラメントの調整手法、メタン濃度による供給量依存性、ガス圧力と電力の依存性、材料による条件の差をそれぞれ明らかにした
‐一度に大量の試料に成膜できる試料ホルダーの設計製作を行い成膜実験に使用することで、試料ホルダーの適切性等を確認
・耐久性の高い導電性ダイヤモンド接触子の性質確認
‐導電性ダイヤモンド薄膜を成膜した接触子全面に金メッキを施し、成膜表面の金メッキを剥離させる条件を見出した
‐ベリリウム銅とタングステンの接触子に成膜したサンプルの耐久試験を行い、タングステンにおける結果で異物付着抑制効果があることを確認
知財出願や広報活動等の状況
・新聞:日本経済新聞(神奈川版、H23.11.3)
・出展:平成23年度神奈川県ものづくり技術交流会(H23.11)
研究開発成果の利用シーン
半導体検査等
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・抵抗値低減に向けた研究において停滞中
製品・サービスのPRポイント
・耐久性向上→開発した導電性ダイヤモンド薄膜は、金メッキなどの貴金属めっきに対して2倍以上の耐久性を持つ
・ロス削減→検査に使用する接触子の交換サイクルが減少し、ラインを停止する時間を削減する
・新製法の実現→従来の金メッキに代わる導電性薄膜としての応用
今後の実用化・事業化の見通し
・販路開拓と並行し、更なる導電性の向上等を研究
‐サポイン事業終了後は、事業において積み残した、材料別の合成条件に関しての研究を実施している
‐現在は、導電性ダイヤモンド薄膜の導電性をさらに向上、粒子径のコントロール等の実験を継続中
‐事業化に向け、半導体メーカーへの販路開拓、自動車部品メーカーへの販路開拓を実施中であり、自動車部品メーカーへはECUテスト用ソケット、センサー用ソケットをターゲットとして販売開始予定
実用化・事業化にあたっての課題
さらなる低抵抗の実現及び量産化
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | サンユー工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 一般財団法人九州オープンイノベーションセンター |
研究等実施機関 | 国立大学法人九州工業大学 熊本県産業技術センター 株式会社KMtec |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | サンユー工業株式会社(法人番号:1010701003984) |
---|---|
事業内容 | リードリレー、ウエットリレー、高周波同軸リレー、ピンソケット、プローブリングの設計製造 |
社員数 | 120 名 |
本社所在地 | 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル |
ホームページ | http://www.sanyu.co.jp |
連絡先窓口 | 営業技術支援部営業技術課チーフエンジニア 長畑博之 |
メールアドレス | nagahata@sanyu.co.jp |
電話番号 | 03-3490-2251 |
研究開発された技術を探す