立体造形
超臨界微細発泡成形により、形状自由度の高いウッドプラスチック成型品を開発
愛知県
株式会社ティーエヌ製作所
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ウッドプラスチック超臨界微細発泡成形による断面7層成形体の成形技術・金型技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、農業 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮 |
キーワード | ウッドプラスチック、超臨界微細発泡成形 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ベースレジンにポリ乳酸とTPE(熱可塑性エラストマー)をそれぞれ用いたウッドプラスチックを、超臨界微細発泡射出成形で成形、金型をコアバック-コアプッシュ制御して内層の微細発泡セルを微細化し、断面構造が7層の軽量、高断熱性、防振性を有する成形技術を確立するとともに、ポリ乳酸では完全生分解性、TPEでは軟質変形自在な機能を有する基盤技術を開発する
開発した技術のポイント
形状自由度の高いウッドプラスチック成型品の開発、及びベースレジンの多様化による高機能化
・断面構造7層化→軽量、高断熱性、防振性
・ベースレジン:ポリ乳酸(植物由来・生分解性ポリマー)→廃棄後の環境負荷低減
・ベースレジン:TPE→弾力性、容易に変形可能
(新技術)
超臨界微細発泡成形+コアバック成形法
特徴
・内部断面形状は、表面=ソリッド内層=微細発泡であり、隅々まで流動
・3次元形状で形状自由度の高い射出成形品が生産可能
+
・ベースレジンのバラエティ化(ポリ乳酸+TPE)
具体的な成果
・超臨界微細発泡成形による断面7層のウッドプラスチック成形体を作製
‐CO2超臨界微細発泡射出成形によりウッドプラスチック素材の流動性を向上、さらに成形凝固直前に金型をコアバック‐コアプッシュ制御し、内層に微細発泡の発泡セルを形成
‐結果、断面構造が7層の「表面ソリッド層‐微細発泡層‐二次微細発泡層‐大発泡層」成形体を実現
‐さらに、発泡層内に発生した巨大泡の抑制技術を開発し、内層の微細発泡セル直径を1/10に
・ポリ乳酸がベースレジンのウッドプラスチックの超臨界微細発泡射出成形用金型を設計
‐植物由来・生分解性ポリマーであるポリ乳酸をベースレジンとしたウッドプラスチック素材を開発
‐耐蝕性の高い特殊鋼と金型の表面処理技術を開発
‐試作金型を製作し、ポリ乳酸をベースレジンとしたウッドプラスチックの成形用金型の設計技術を確立
・TPEがベースレジンのウッドプラスチックの超臨界微細発泡射出成形用金型を設計
‐TPE(熱可塑性エラストマー)をベースレジンとし、弾力性に富み変形が容易で、消音・保温・衝撃吸収・抗菌・消臭機能を備えたウッドプラスチック素材を開発
‐TPEをベースレジンとしたウッドプラスチックの超臨界微細発泡コアバック‐コアプッシュ射出成形金型の設計技術を確立
知財出願や広報活動等の状況
国際プラスチックフェア(IPF2017)、第10回世界水族館会議、NPE2018(米国フロリダ)、リヨン領事事務所主催天皇誕生日祝賀レセプション等でサンプルを展示し、周知広報活動を積極的に行っている。
研究開発成果の利用シーン
廃棄後の環境負荷が低いポリ乳酸(植物由来・生分解性ポリマー)と木質から構成され、軽量、高断熱性、防振性が向上した7層断面構造のウッドプラスチック成型品の自由度の高い成型技術により自動車、楽器、生活用品、農業資材等身の回りの製品に活用することができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・大手楽器や生活用品メーカーにサンプル出荷中、国内外の展示会への出展を多数実施している。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・環境負荷削減→リサイクルバイオマスを含んだ環境負荷低減型プラスチックへ切り替えることによりCO2を削減する技術開発が求められている
・軽量化→軽量化と高断熱性と防振性の付加価値を併せ持った木調外観成形品の開発がトータルエネルギー効率改善のために求められている
・新素材・新方式・新製法等の実現→ウッドプラスチックにCO2の超臨界流体をミキシングする最適条件を見出し、流動長のアップを図り、ウッドプラスチックの射出成形品を効率的に生産できる技術
今後の実用化・事業化の見通し
サンプル出荷し、評価等を受ける
・開発技術をもとに大手楽器メーカー、生活用品メーカーなどにサンプル出荷し、社内評価、品質改善の要望等のアプローチを実施
・新たな切り口の木粉の成形品にて、新たな業界で、新素材として使用可能ではないか検討中
・継続して認知度を高めることによりサンプル出荷、試作検討の引き合いの可能性を高めるように対応をしている
・海洋プラスチック削減技術として新たな需要開拓に取り組んでいく
実用化・事業化にあたっての課題
ポリ乳酸原材料の供給不足による材料価格の高騰
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ティーエヌ製作所 本社工場 |
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事業管理機関 | 特定非営利活動法人JRCM産学金連携センター |
研究等実施機関 | 小松技術士事務所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ティーエヌ製作所(法人番号:3180001083148) |
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事業内容 | N-WPC製品制作、各種プラスチック製造・金型設計製作・射出成形・押出成形・塗装・静電植毛、ファイバーコート・ファブリック巻き |
社員数 | 60 名 |
生産拠点 | 愛知県一宮市若竹4-2-9 |
本社所在地 | 〒491-0832 愛知県一宮市若竹4-2-9 |
ホームページ | http://seidenshokumou.com |
連絡先窓口 | 製造部 岩田剛 |
メールアドレス | takeshi@aa7.fiberbit.jp |
電話番号 | 0586-77-1313 |
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