精密加工
リチウムイオン二次電池ケースの短納期化を実現するニッケルめっき鋼板による一体プレス成形技術
奈良県
株式会社エスケイケイ
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ニッケルめっき鋼板を用いた次世代リチウムイオン二次電池ケースの一体プレス成形技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 低コスト化 |
キーワード | ニッケルめっき鋼板、電池缶 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本申請は次世代エコカーの主流になると期待されるリチウムイオン二次電池用金属製ケースを対象に、その製造工程における低コスト化、短納期化及び生産性の向上を目指すことを目的とする。現状の最も複雑な工程である安全弁の製造において、深絞り及び切り込み加工後、ニッケルめっき後処理工程に代替するプレめっき鋼板を用いた、一体プレス成形技術を確立する。これには、絞り形状、肉厚制御、ニッケル皮膜確保の高精度化により実現を図る
開発した技術のポイント
打撃法により、リチウムイオン二次電池の電池ケースの防爆安全弁を製造
・3MPaでは破断しない安全弁の形成
・ニッケルめっき皮膜の厚み:成形前2.0μm→成形後最小厚み0.4μm
・安全弁の動作レンジの見極めとその部位の肉厚制御技術の開発→目標値T=0.5mmに対してD=0.07mm(T:ニッケルめっき鋼板厚みD:新安全弁部鋼板厚み)
(新技術)
・絞り形状のコーナー部を鍛造法により圧縮し、安全弁となる薄肉部を形成
(特徴)
・製造時間が短い:5分
・製造コストが安い:90円
具体的な成果
・打撃法により、3MPaでは破断しない安全弁の成形技術を開発
-有底円筒体成形後のニッケルめっき(プレめっき)鋼板に対し、金型で打撃することで、安全弁を形成
-結果、その多くが、3.8MPa±0.2MPaの範囲内で開裂となり、目標を達成
・安全弁の動作レンジと最適な肉厚を見出す
-ニッケルめっき鋼板を打撃し様々な肉厚にした鋼板を試験機にかけて、内圧力と肉厚との相関関係を探った
-結果、T(ニッケルめっき鋼板厚み)=0.5mmを可変的にD(新安全弁部鋼板厚み)=0.07mm~0.10mmまで制御可能となった
・成形後のニッケルめっき皮膜の最小厚み0.5μmを確保
-成形後に、必要な厚さのニッケル層が表面に付加されていることを検証
-結果、ニッケルめっき皮膜の厚みは、成形前2.0μmに対して、成形後最小0.5μmを確保
研究開発成果の利用シーン
エコカーのリチウムイオン二次電池用電池ケースの製造工程において、本一体プレス成形技術を用いることにより、製造工程の短縮が可能になる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23に実用化に成功、事業化は停滞中
・電池缶のサンプルあり(無償)
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:従来比50%減
・歩留まり向上・ロス削減等:従来の後めっき缶に比べて不めっきが少なく、めっき皮膜が安定
・量産化、安定供給化:従来の後めっき缶に比べ製造リードタイムが短い(90%短縮)
今後の実用化・事業化の見通し
サンプル出荷に向け耐久試験を実施、展示会への出展も行う
・完成した電池缶を、川下企業の仕様に合わせるために、形状を変更。現在、川下企業へサンプル出荷を行うために、耐久試験を実施
・耐久試験において、防爆安全弁部の機能に若干不安定さが残っているため、その部分をより安定させるよう成形前のNiめっき厚について検討中・また、開発したLiイオン電池缶を展示会等に出展。結果、様々な部品メーカー、商社からの問い合わせも多い
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社エスケイケイ |
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事業管理機関 | 公益財団法人奈良県地域産業振興センター 事業化推進課 |
研究等実施機関 | 奈良県産業振興総合センター |
アドバイザー | 東洋鋼鈑株式会社 中村 彰秀、中村商事株式会社 鷹屋 毅、龍谷大学 森 正和 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社エスケイケイ(法人番号:7150001004739) |
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事業内容 | 金属プレス製造業 |
社員数 | 104 名 |
本社所在地 | 〒630-0142 奈良県生駒市北田原町1786-1 |
ホームページ | http://skknet.co.jp |
連絡先窓口 | 車載部品事業部長木林哲正 |
メールアドレス | t.kibayashi@skknet.co.jp |
電話番号 | 0743-79-2060 |
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