文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 化学機械研磨工程(CMP)のパッドコンディショナーの改善により、CMPプロセスのコスト低減、半導体の高機能化、高密度化に貢献

表面処理

化学機械研磨工程(CMP)のパッドコンディショナーの改善により、CMPプロセスのコスト低減、半導体の高機能化、高密度化に貢献

大阪府

帝国イオン株式会社

2023年2月4日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 半導体製造用CMPパッドコンディショナーへのアモルファスクロムめっき皮膜形成技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、ロボット、情報通信、スマート家電、食品、半導体、工作機械、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(耐食性向上)
キーワード CMPプロセス、耐食性、耐薬品性、めっき、パッドコンディショナー
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

半導体等の製造においては、更なる微細配線化と多層化が要求されるシリコンウエハの化学機械研磨工程(CMPプロセスと呼ぶ)が重要である。本事業では、CMPプロセスに用いる部材の耐薬品性、耐摩耗性を高めるために、高硬度なアモルファスクロムめっき技術の確立を行い、高性能、低コストの次世代CMPパッドコンディショナーの開発を実現する

開発した技術のポイント

アモルファスクロムめっき皮膜を形成させることで、スラリーに対する高い耐腐食性等を付与し、耐久性・寿命を向上
(新技術)
CMPパッドコンディショナーの最表面に耐薬品性、耐摩耗性に優れたアモルファスクロムめっき皮膜を形成させる
(新技術の特徴)
CMPプロセスのコスト低減、スラリーに対する高い耐腐食性等を付与し、耐久性・寿命を向上させる

具体的な成果

・所望するめっき物性を得るアモルファスクロムめっきの作製条件を確立した
・アモルファスクロムめっきの硬さ、耐食性について、重要なコマーシャルデータが採取できた
・連続めっき装置では排気ミスト、排水の6価クロム濃度は目標をクリアし、優れた環境対応性を認めた
・量産設備および新型冶具の作製を進め、量産体制を整えることができた
・長時間めっきにおける成分およびpH変動を把握し、その補給方法を確立した
・めっき液を安定化できる新技術の開発に至り、国際特許(PCT)を出願した
・浴成分の自動調整装置を備えたシステムを構築し、連続めっきにおける品質の安定化を達成した
・CMP実装試験で、酸性スラリーの使用下で200時間以上の耐久性能を有することを実証した

CMPパッドコンディショナー
知財出願や広報活動等の状況

特許取得2件

特許第6014835号
「CMPパッドコンディショナおよび当該CMPパッドコンディショナの製造方法」
特許第6501280号
「クロムめっき液、電気めっき方法及びクロムめっき液の製造方法」 (台湾で審査請求中)

研究開発成果の利用シーン

・開発したアモルファスクロムめっき技術により、滅菌環境の洗浄工程での耐食性を付与することができる。
 医薬用、食品用の省力化機械やロボットへの表面処理として使うことで
 軽量化が求められるシーンにおいて、SUSの素材から軽量だが腐食しやすいアルミ素材への変更可能になる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・国内、国外から計10社以上の試作の受注をしている。平成27年の年末までに量産めっきラインを完成させ、試作の生産を開始した。
・CMPパッドコンディショナ-のN社の採用決定。受注生産を開始している。
・食品向けロボットアームK社の表面処理に採用決定。(次亜塩素酸ソ-ダ、過酸化水素ガスに対して耐食性がある。)年内10台出荷予定。
 ⇒2019年 30~40台
・細穴内径へのめっき方法を開発し、ノズルの寿命を延ばす効果を実現。特許出願済み。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・耐薬品性、耐摩耗性に優れたCMPパッドコンディショナー提供によるCMPプロセスのコスト低減、半導体の高機能化、高密度化
・過酸化水素ガスや次亜塩素酸ソーダの腐食性が強い環境でも耐食性を保持することが可能な表面処理
・アルミ素材にも適用でき、軽量化を実現

今後の実用化・事業化の見通し

・アモルファスクロムめっきは、高硬度、耐摩耗性、耐食性に優れており、通常のクロムめっき浴と比較し、浴中の6価クロム濃度も1/8と低いため、次世代の環境対応型クロムめっきとして注目されている
・本プロジェクトの成果はCMPパッドコンディショナー適用に留まらず、新たな機能性めっき膜として様々な用途展開への取り組みを進める予定である
・メーカーからの試作引き合いに対して都度対応している

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 帝国イオン株式会社 代表取締役社長(中村孝司)、本社工場長(川上佳信)、白浜工場長(赤木拓治)、 硬質部門リーダー(合田博光)、研究員(北條将史、川脇拓哉)
事業管理機関 一般財団法人大阪科学技術センター ニューマテリアルセンター(金子輝雄、水井直光、井出正裕、森知佐子)
研究等実施機関 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 金属表面処理科(中出卓男、長瀧敬行、林彰平、小畠淳平、岡本明、斉藤誠)
アドバイザー ノリタケ(野々下哲也)、三菱マテリアル(清水章弘)、イオックス(梶原康一)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 帝国イオン株式会社(法人番号:8122001004695)
事業内容 表面処理加工
社員数 49 名
生産拠点 本社工場(大阪府東大阪市)、白浜工場(和歌山県)
本社所在地 〒577-0835 大阪府東大阪市柏田西1-12-26
ホームページ http://teikoku-ion.co.jp
連絡先窓口 代表取締役社長 中村孝司
メールアドレス t-nakamura@teikoku-ion.co.jp
電話番号 06-6727-7047