研究開発された技術紹介

LED市場は照明市場で急成長が期待できる。一方で、国内のLED製造業を発展させるためには、製造工程の高効率化、低コスト化が必須である。LED製造企業は、新たな高効率、低コスト製造ラインを構築したいという強い要望を持っている。本提案では、独自のロータリーピックアップ方式を研究開発することで、世界最高速(0.1秒/個)のLEDダイアタッチ装置を開発し、従来の2倍の生産性を実現することを目的とする

独自のロータリーピックアップ方式を研究開発することで、世界最高速(0.1秒/個)のLEDダイアタッチ装置を開発し、従来の2倍の生産性を実現する
(新技術)
新たに独自のロータリーピックアップ機構を開発し、ダイアタッチ工程において高精度、ダメージフリーをすべて両立する技術を開発する
(新技術の特徴)
LED製造装置の課題であったダイアタッチ装置の処理速度が向上し、低コスト化に直結する

・ロータリーピックアップ機構開発
‐ロータリーピックアップ機構の信頼性評価およびダイレクト転写方式によるペースト転写評価を実施した
・自社特化サーボ制御開発
‐指令内蔵型サーボ開発とネットワークサーボ開発によるシステム全体の処理時間0.1秒/個の実現を達成した
・画像認識による投票方式マッチング、サブピクセル位置決め開発
‐サブピクセル画像計測および三次元画像計測を実施した
・装置の試作

従来品の2倍の処理速度を実現するダイアタッチ装置

・各サブテーマの基本課題についてはいずれも良好な結果が得られた
・本成果を装置に組み込んでの実機評価が今後の課題である
・商品化を前提にした装置開発も課題であり、このためには川下ユーザーの多様なニーズへの対応や幅広い応用範囲を狙った柔軟かつ迅速な開発体制が求められる

・LEDの低価格化への貢献
‐新たなロータリーピックアップ機構を開発したことによって、従来の製造装置によるLED製造と比較して、ダイアタッチの処理速度が格段に早くなった
‐処理速度が早くなった結果、LEDの製造プロセスにかかる時間が短縮されることから、製造プロセスにおけるコスト低減を図ることが可能になった
‐従来と比較して、LEDの単価を下げつつも高品質の製品の提供が可能であり、顧客の価格に対するニーズを満たす製品の提供が可能である
・ベアチップ、MEMSの実装への応用
‐開発した装置はベアチップやMEMSなどのモジュール組立や基板実装へと応用できる可能性がある
‐汎用性が高い装置であることから、用途の拡大へとつながり製品ラインナップの強化に寄与する

・装置コストの低減による商品化、事業化を目指す
・画像測定による外観検査など、川下企業にとってより付加価値の高い機能を追加する
・ダイアタッチ以外にも本技術を応用できる商品企画を進める