立体造形
レアアースレス球状黒鉛鋳鉄の薄肉化技術を実現し、自動車産業におけるコスト削減と売上拡大に貢献
北海道
佐藤鋳工株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自動車用部品の肉厚変動部のレアアースレス薄肉球状黒鉛鋳鉄の良品条件の確立および品質確認システムの構築 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(副材料費使用提言)、低コスト化 |
キーワード | 省資源化、レアアースレス |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界では、環境問題への対応は最重要課題であり車両の燃費向上のため、軽量化を実現するための素材や製造工法に関する技術開発が進められている。軽量化のために素材を薄肉化するため添加剤としてレアアースが使用されている。世界的にレアアースの需給が逼迫し国際価格が高騰しており、レアアース使用量の低減、代替化が進められている。そこで本研究では、レアアースレスとした薄肉球状黒鉛鋳鉄の鋳造技術の開発を目指す
開発した技術のポイント
自動車用部品に用いられる薄肉球状黒鉛鋳鉄鋳物のレアアースレス化を実現する
(新技術)
・球状化処理方法の変更による球状黒鉛鋳鉄製造技術を開発する
・レアアースレス球状黒鉛鋳鉄の薄肉化技術を開発する
・内部欠陥制御技術を開発する
(新技術の特徴)
レアアースレスとした際でも従来の製品同等の強度をもった自動車部品用薄肉球状黒鉛鋳鉄の製造が可能となる
具体的な成果
・球状化処理方法変更による球状黒鉛鋳鉄製造技術を開発
‐レアアースを含有した球状化剤とレアアースレスの球状化剤を使用して製造した薄肉供試材によって各種試験を実施した結果、各組織に大きな差は無く、機械的性質は良好であった
・レアアースレス球状黒鉛鋳鉄の薄肉化技術を開発
‐レアアース含有量は0.3%まで低減可能であることがわかった等
研究開発成果の利用シーン
・レアアースレス化した薄肉球状黒鉛鋳鉄鋳物
・レアアースレス球状黒鉛鋳鉄の薄肉化サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
レアアース含有量0.3%の実験結果は、今後のレアアース低減の目安の一つになることが期待され、今後の事業化に向けた一つの基準になることが確認された
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・レアアース使用量を低減した球状黒鉛鋳鉄の薄肉化技術により、部材の調達コスト削減に寄与
‐レアアース含有量を調整した球状化材を使用して疲労試験を行った結果、レアアース含有量は0.3%でも十分な疲労強度が確保され、低減可能であることがわかった
‐レアアース含有量を低減した球状化剤での球状黒鉛鋳鉄製造が可能となり、部材の調達コストが削減可能になる
‐将来的な技術開発によってはレアアースレスも可能となる
・レアアースレス球状黒鉛鋳鉄により、自動車変速機の軽量化が実現し、部品の売上拡大に寄与
‐レアアースレスの球状黒鉛鋳鉄は薄肉化の際のチル化を抑え、自動車変速機の軽量化が実現し、自動車の燃費向上が達成される
‐他社製品との差別化ができ、売上拡大が可能になる
今後の実用化・事業化の見通し
・レアアースの含有量の限界値(0~0.5%で検討)を求めて、現在室蘭工業大学において追試験を行っている
・更なる薄肉需要に対応すべく、2mm以下での薄肉材料の製造および品質保持についての補完研究を進めており、進捗により実製品での鋳込み試験等も予定している
・事業化時期としてはおおよそ2年後を目処としている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 佐藤鋳工株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 |
研究等実施機関 | 国立大学法人室蘭工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 佐藤鋳工株式会社(法人番号:6450001004809) |
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事業内容 | 鉄鋼業(銑鉄鋳物製造業) |
社員数 | 118 名 |
生産拠点 | 本社工場 |
本社所在地 | 〒079-0502 北海道雨竜郡妹背牛町356番地 |
ホームページ | http://www.satochuko.co.jp/ |
連絡先窓口 | 総務部部長 佐橋信明 |
メールアドレス | n_sahashi@satochuko.co.jp |
電話番号 | 0164-32-2130 |
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