接合・実装
モーターの消費電力低減、小型化を可能にする電磁場分布、時間変化の可視化技術を開発
東京都
ネオアーク株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 電子部品・デバイスの実装評価に必須な局所領域・空間における漏れ磁界磁化の動的挙動を可視化する技術の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
キーワード | 漏れ磁界可視化、時間分解計測、空間磁界計測、電磁妨害抑制 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発は、小型電動器・トランス・インダクタ・高感度磁気センサ等、完成形状のデバイスの、実動周波数での局所領域・空間における漏れ磁界・磁化の動的挙動を可視化する技術を確立して、自動車の電子部品・デバイスの実装高集積化・電磁環境適合化で達成すべき耐熱・高信頼性解析技術、電波雑音制御のための電磁妨害放射・電磁環境適合性実装技術の確立等高度化目標達成に資するものである
開発した技術のポイント
平行光学系と集光光学系の両立により、磁区観察、局所磁化過程検出の両立を実現した。
・1µmオーダから10mmオーダーの空間分解能による磁区観察、局所磁化過程検出、空間磁界検出が可能
・500ps以下の時間分解磁区観察、局所磁化過程検出が可能
・従来、複数装置を要していた広範な空間分解能による検出を一台の装置で一括評価可能
・単一の装置内において、同じ光源を用いて磁区観察と局所磁化過程を観察可能
具体的な成果
・切り替え機構の開発による、平行光学系と集光光学系の両立
‐レーザ光を光源として、平行光学系、集光光学系が両立できるよう、試用するレンズの収差、観察エリアの大きさ、強度分布等を踏まえて光学設計を実施
‐集光光学系をベースとし、レンズの挿入抜去によって平行光学系に切り替えができるよう、切り替え機構を開発
‐市場からの要求が強い、10mm前後の磁場一括検出及び磁区観察を可能とする技術を開発
・レーザ光源等についての研究を進め、安定的な稼動を実現
‐システム構成の制約から極短パルスを低周期の繰り返しで発生させる必要があり、パルス幅500ピコ秒(半値幅にて)、繰り返し周波数50kHzを実現するパルス発生回路を試作
‐パルスレーザ光源として必要な性能を発揮
・同一の光源から二つの光学系を機能させる装置を試作
‐顕微鏡光学系だけでなく、川下企業からのニーズが多くなっているmmオーダーに対応できるよう、広視野光学系の実験機を試作
‐試作機による計測結果は、シミュレーション結果とほぼ一致しており、空間磁場分布の一括検出に成功
知財出願や広報活動等の状況
・特許:偏光変化スペクトル測定装置、偏光変化スペクトル測定方法、磁気光学効果測定装置および磁気光学効果測定方法(特願2011-287570)、磁気特性測定装置、磁気特性測定方法及び磁界測定方法(特願2012-078316、特許第6083064号)
・論文:目黒栄 他「磁気転写膜と広視野磁区観察装置を用いた空間磁場の一括観察法」(H24.9)、S. Meguro, et all「Photographic Detection of Spatial Magnetic Field Distribution by Magneto-Optical Imaging Technique with Magnetic Transfer Film」(H24.10)
研究開発成果の利用シーン
・試作装置を用いて自動車に搭載されるモーター、インバーター等が発生する電磁界を検出することにより車載マイコン、各種センサーやスマートフォン等の通信機器に与えるノイズの影響を低減し、自動運転等における安全性の向上が可能となる。
・実働状態のモーター、トランス等における周辺の漏れ磁界分布を計測し漏れ磁界の少ない設計を行うことにより高効率モーター、トランスの開発が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に向けた補完研究中
・試作機あり(ミクロンオーダーの微小領域を計測する顕微鏡式装置およびミリメートルオーダーの広い領域を計測する広視野計測装置)
・派生技術としてパルスLDの製品化を進めている。
・試作装置の製品化については実機テストでの非測定物起因の振動対策という技術課題が解決しておらず製品化には至っていないが振動の少ない対象物であれば計測可能な状況にある。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・省エネルギー→開発した磁界・磁化の可視化装置で磁場分布の計測を行う事によりモーターの特性改善、高効率化が可能になり、省エネルギー、環境負荷削減に貢献
・小型化→開発した磁界・磁化の可視化装置を用いてモーターの特性改善、高効率化が可能になりモーターの小型化につながる。また、モーターの小型化はモーターを使用した装置の小型化につながる
・その他→開発した磁界・磁化の可視化装置により電子機器近傍の磁界計測を行う事により外来ノイズ対策を行う事が可能になり、例えば自動車内のコンピュータや各種センサの誤動作を防止するという安全性の向上ができる
今後の実用化・事業化の見通し
2021年4月の実用化を目指し、装置を改良
・非測定物起因の振動対策を進め実働状態での計測を実現する。
・パルスLD光源の短パルス化(50psec以下)を進めスピントロニクス分野の時間分解計測に供する。
実用化・事業化にあたっての課題
・非測定物起因の振動対策
・派生技術のパルスLDのさらなる短パルス化
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ネオアーク株式会社 |
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事業管理機関 | ネオアーク株式会社 本社 第一工場 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学 電子工学専攻 高橋研究室(現在:齊藤研究室) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ネオアーク株式会社 |
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事業内容 | レーザ光源、レーザ応用機器、磁気測定器の製造・販売 |
社員数 | 39 名 |
生産拠点 | 東京都八王子市に2つの工場を保有 |
本社所在地 | 〒192-0015 東京都八王子市中野町2062-21 |
ホームページ | http://www.neoark.co.jp |
連絡先窓口 | 第一工場 目黒栄 |
メールアドレス | meguro@neoark.co.jp |
電話番号 | 042-627-7211 |
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