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表面処理

めっき技術を用いて、プローブ針先へのアルミ屑の付着を低減

山口県

中国電化工業株式会社

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 めっき技術を応用したプローブ針の高機能化に関する研究開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 半導体
産業分野でのニーズ対応 高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(工程短縮)
キーワード 表面処理、めっき
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成21年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

半導体製造におけるプローブカードを用いた検査工程では、プローブ先端にボンディングパッドのアルミニウム酸化物が凝着することで電気的接触抵抗が不安定となり、IC回路の良否に誤判定を生じることが問題となっている。本研究開発ではこの問題を解決するために、プローブカードに複雑に配置された数百本のプローブ1本1本の先端に耐凝着性を有した粒状めっき皮膜を均一に生成させる技術を開発する

開発した技術のポイント

プローブ先端の電流密度の均一化と微小領域への粒状めっき生成技術の開発
・プローブへのSiO2絶縁被膜の形成技術
→プローブ全体に、めっき処理工程で使用される酸・アルカリの処理溶液に耐え、100万回連続コンタクトにも剥離を起こさせないSi02皮膜を形成させる
・電流制御板によるめっき電流制御
→フォトリソグラフィーを用いて複雑なプローブ配列にも対応する電流制御板(穴径100ミクロン程度)を作成し、微小なめっき電流を制御する
・微小領域への粒状めっき技術の開発
→アルミ屑の凝着と堆積の少ない粒状めっき形状を明確にし、複雑に配置された多数のプローブ先端(200本以上)に、均一に粒状めっきを生成させる
・漏れ電流の少ないプローブカードの設計製作
→粒状めっきの均一皮膜生成に適した電流制御を行うため、漏れ電流を最小限に抑えたプローブカードを設計し製作する
(新技術)
複雑なプローブ配置のプローブカードにおいて、100万回いじょうのコンタクト回数が得られる高性能プローブカードを開発
(新技術の特徴)
全てのプローブの先端に同じ形状の粒状めっきを被膜→100万回コンタクトの実現

具体的な成果

・プローブへのSi02絶縁被膜の形成
-密度の異なる3層構造の膜とすることで、ピンホールがなく、絶縁性の高いSiO2被膜を形成することができた
・電流制御板による電流制御
-プローブの先端位置に合わせた形状の穴を有する電流制御板をフォトリソグラフィー技術により作成し、めっき電極とプローブの間に入れることで、プローブ先端部に生じていためっき皮膜のバラつきを約1/2に抑えることができた
・微小領域への粒状めっき生成
-SiO2絶縁被膜によってプローブ先端にめっき電流を集中させることができ、微少なめっき電流を制御することで、φ20ミクロン程度のプローブ先端に粒状めっきを析出させることができた
・粒状めっき用プローブカードの設計製作
-従来のプローブカードの製作工程を粒状めっき専用の工程に変更することで、信頼性の高い粒状めっきプローブカードを作成することができた
・状粒状めっきの効果
-プローブ先端に適正な形状の粒状めっきを生成させることで、アルミ屑の付着・堆積の抑制と多点接触を両立し、コンタクト回数が増えても接点抵抗を安定に維持できるプローブ針を作成することができた

知財出願や広報活動等の状況

・出展:第41回インターネプコンジャパン(H24.1)、第3回国際自動車素材・加工展(H24.3)
・特許:「プローブ針及びプローブ針の製造方法」(特開2011-202970)、「垂直型プローブ針及びその製造方法」(特願2011-42774)

研究開発成果の利用シーン

半導体回路の検査用プローブとしての用途を想定。従来に比べて誤判定が少なく、メンテナンスフリーでの連続使用時間が長いことから、歩留まりや稼働率の向上が実現する

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H23年度プローブカードとして試作に成功
・半導体製造企業での評価は良好。
・半導体製造工場の国外移転が進みニーズが減少

提携可能な製品・サービス内容

技術相談

製品・サービスのPRポイント

・耐久性:従来と比較して数倍~数十倍の連続したコンタクト性能がある
・精度向上:アルミ屑の付着が軽減され、検査工程での誤判定が少なくなる
・歩留まり向上:連続コンタクト性の向上と検査工程での精度向上で歩留まりが向上する

今後の実用化・事業化の見通し

・粒状めっきの核の析出と成長を制御する技術の確立と高機能IC回路に対応する垂直型プローブカードへの粒状めっき技術の適応については、補完研究で検討したがメーカーからのニーズが無くなったことにより中断。
・国内半導体製造企業への販路を開拓しながら、自動車産業、自然エネルギー等の様々な電気的接点が含まれている製品への展開を図る

実用化・事業化にあたっての課題

接点等の多目的用途の探査・検討

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 中国電化工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人やまぐち産業振興財団
研究等実施機関 東邦電子株式会社
地方独立行政法人山口県産業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 中国電化工業株式会社(法人番号:7250001002096)
事業内容 金属表面処理
社員数 53 名
本社所在地 〒747-0833 山口県防府市浜方古浜62-1
ホームページ http://www.cdknet.co.jp
連絡先窓口 下松工場  國信栄作
メールアドレス kuninobu@cdknet.co.jp
電話番号 0833-41-1275