文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 単結晶SiCを利用した金型により高融点ガラスレンズの850℃以上の加熱成形を可能に

精密加工

単結晶SiCを利用した金型により高融点ガラスレンズの850℃以上の加熱成形を可能に

京都府

株式会社秋田製作所

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 単結晶SiCによる高融点ガラスレンズ成形金型の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 スマート家電、半導体、光学機器
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成21年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

レンズメーカーのガラスレンズ成形において金型の長寿命化、省エネルギー化、850℃を超える加熱成形方法のニーズは非常に高い。そこで、本研究では新素材である単結晶SICと低コストであるSIC焼結体との拡散接合により金型の長寿命化、低コスト化をはかる。また、単結晶SICの熱伝導率特性を活かし、直接加熱方式を開発し省エネルギー化をはかると共に、現状の金型ではできない850℃を超える加熱成形を可能にし、業界のニーズに応える

開発した技術のポイント

高温硬度・耐酸化性に優れる単結晶SiCを利用した金型を製作
・a軸に沿った結晶成長→貫通欠陥0の単結晶SiC
・単結晶SiCと焼結体SiCとの接合技術の開発→接合面強度:圧縮強度(4GPa)、引張強度(800MPa)
・直接通電加熱による昇降温→常温~850℃を10秒
(新技術)
<単結晶SiCの金型>
(特徴)
・850度を超える加熱成形が可能
・寿命:10000ショット

具体的な成果

貫通欠陥0の単結晶SiCを開発
・a軸成長・C軸成長の単結晶SiCをKOHエッチングにより評価を行った結果、マイクロパイプはa軸成長品には存在せず、貫通欠陥0の単結晶SiCを達成
・しかし、a軸成長品には積層欠陥が存在、硬さ(常温・高温)では、C軸成長品以下
・よって、a軸成長させた単結晶SiCをC面が成形面に露出するよう加工することが望ましいことが判明
焼結体SiCと単結晶SiCの接合体を作製
・焼結体SiCと単結晶SiCの接合体を得ることができた
・接合面は、曲げ強度360MPa、引張り強度597MPa、圧縮強度2397MPa、また接合部分より焼結体SiC部が先に破損直接加熱により850℃まで約30秒
・導電性を高める不純物が添加されている単結晶SiCと焼結体SiCを接合し、一部に無電解ニッケルメッキを施した金型にて昇温テストを実施
・その結果、目標温度850℃までの所要時間は約30秒
・また、Ra=100nmの表面粗さで球面加工した金型にて研磨テストを実施したが、研磨前の表面状態と比較した結果、効果が認められなかった

研究開発成果の利用シーン

単結晶SiCを利用した金型により、デジタルカメラ、スミダシキ等の光学ガラスレンズ成形において、850℃を超える加熱成形が可能

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化は停滞中
・サンプルなし

製品・サービスのPRポイント

・耐久性向上:従来の平均5,000ショットが10,000ショット以上に
・新素材の実現:従来の金型では不可能であった850℃を超える加熱成形が可能

今後の実用化・事業化の見通し

補完研究は停滞中
・資金面、研究者不足等から実用化に向けた補完研究は停滞中
・上記が解消されればガラスレンズと金型との離型性の研究から始め、低コスト化を図り実用化を目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社秋田製作所
事業管理機関 株式会社秋田製作所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社秋田製作所
事業内容 産業用自動化機器の設計・開発・製造、板金・フライス加工
本社所在地 〒601-8442 京都府京都市南区西九条御幸田町30番地
ホームページ http://www.act-kyoto.com
連絡先窓口 研究開発部門主任研究員 土田卓矢
メールアドレス t.tsuchida@act-kyoto.com
電話番号 075-671-7451