接合・実装
樹脂による表面加工によりマイクロねじの緩み防止、タップねじの切削屑捕捉を実現
愛知県
株式会社南部製作所
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 情報家電部品の高精度・小型化に対応する多機能付与小ネジの表面加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、工作機械、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | ゆるみ防止、切粉捕捉、防水 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発では、情報家電部品の組立て工程で使用されるマイクロネジにゆるみ防止機能を、また、タップネジに切削屑、粉粘着捕捉機能を付与するために必要なネジの表面加工技術を確立することを目的として、加工樹脂の選定、加工方法及び加工設備の開発を実施した。ゆるみ防止機能は既存技術のアロック加工でM1.0サイズのマイクロネジにポリアミド樹脂を熱融着させる技術を確立し、量産化に成功。M1未満のマイクロネジに対しては、使用する樹脂の選定まで実施。切粉捕捉は、特殊粘着剤の塗布技術を確立し、量産化に成功。また、プラス機能として、防水性能があることが判った。
開発した技術のポイント
マイクロねじの緩み防止、タップねじの切削屑捕捉に対応した表面処理加工技術の開発
・マイクロねじの緩み防止→加工可能サイズ:M(口径)0.6~2.0、ねじ長さ:0.6~6.0mm、加工処理速度:300本/分 M1.0,ねじ長さ1.2mm以上は事業化に成功。M1.0,長さ1.2mm未満は実用化段階でペンディング。
・タップねじの切削屑捕捉、緩み防止機能→成形屑・粉が発生しない、緩み率(戻しトルク/締め付けトルク)70%以上
(新技術)
マイクロねじ
・低融点樹脂の開発、高周波加熱装置、吹き付けノズルの改良により、付着樹脂量の安定化(低融点樹脂は実用化段階)
・ねじ長さ:1.0~6.0mm
・タップねじ
‐粘着剤系の樹脂により、切削屑の捕捉
‐作業性の向上、低コスト化
具体的な成果
・加工処理速度300本/分、締め付けトルク0.6以下、戻しトルク0.08以上を達成
‐マイクロねじの緩み防止に用いる共重合ナイロン樹脂を選定(実用化段階)
‐開発加工装置に、開発した高周波加熱装置と高周波加熱コイル、新型吹き付けノズルを取り付け、M1.0~M1.7 x3mm を量産加工
‐開発装置で加工試験を行った結果、加工処理速度300本/分、締め付けトルク(kgf・cm)最大値0.6以下、戻しトルク(kgf・cm)最小値0.08以上を達成
・切削屑捕捉、緩み率75.9%以上を達成
‐タップネジや精密こねじの機能性向上として、特殊粘着剤を塗布することにより、切粉捕捉や防水機能を付与した。
‐主剤である特殊粘着剤は、若干粘着性が弱いため、添加剤として強粘着剤や石油樹脂(粘着性向上効果)、硬い樹脂を加えた
‐タッピングねじM3.0で、タック性能向上(切削屑捕捉:成形屑、粉が発生しない)、トルク値の向上(緩み率75.9%)を達成
知財出願や広報活動等の状況
出展:Tech Biz EXPO2012、「中部ものづくり基盤技術展」(2013,2014)、メッセナゴヤ(2012年~2019年)
研究開発成果の利用シーン
電子機器、光学機器等の組み立て時の締結用精密ネジに用いられ、締結不良による製品の不良率を低減
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に事業化に成功
・ゆるみ防止機能~アロック加工として、M1.0サイズ以上のネジに加工可能で市場に幅広く展開。
・切粉捕捉機能~タックNエース加工として、M1.4~M6サイズのネジに加工し、市場に展開中。
・防水機能~タックNエースシールとして、M1.4~M6サイズのネジに加工し、市場に展開中。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・M1.0~M2.0マイクロネジへのアロック加工:ネジにゆるみ防止機能を付与する加工技術。ネジ長さが短くなる傾向にあり、ゆるみ止め加工の必要性が増している。量産加工にて市場へ供給中。
・タックNエース加工:マイクロネジ(M1.4~M3.0)に特殊粘着剤を塗布加工することにより、切粉捕捉機能やゆるみ防止機能を付与。電子機器、光学機器等の電子基板の取り付け時、締結で生じる切削屑、切粉を捕捉、締結のゆるみ、脱落をゼロにする。マイクロネジのみでなく、M6サイズのネジまで加工対応している。
・タックNエースシール加工:ネジに防水機能を付与。M1.4~M6.0まで加工可能。
今後の実用化・事業化の見通し
・M1.0未満のマイクロネジに対する量産加工技術の開発。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社南部製作所 |
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事業管理機関 | 株式会社南部製作所 |
研究等実施機関 | 株式会社南部製作所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社南部製作所(法人番号:4180001060154) |
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事業内容 | 1.産業用専用機の設計製作2.緩み止め・調整ボルト、ねじ加工3.ねじ成型屑、摩擦粉粘着捕捉ねじ加工 |
社員数 | 45 名 |
生産拠点 | 本社工場(名古屋市南区豊1-53-5) |
本社所在地 | 〒457-0863 愛知県名古屋市南区豊1-53-5 |
ホームページ | http://www.nanbu-s.co.jp |
連絡先窓口 | アロック事業部部長 伊藤勉 |
メールアドレス | itou@nanbu-s.co.jp |
電話番号 | 052-692-3845 |
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