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精密加工

プレス加工の不具合を事前に見抜く型構造の設計検証システム

東京都

株式会社計算力学研究センター

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 複雑型構造に対応可能なプレス加工の型設計検証システムの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード プレス成形、型設計、型構造、シミュレーション、FEM
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成21年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

型構造を扱えるプレスCAEソフトを開発する。これによってCAEの位置付けを、ラフな設計方針確認用から、トライ回数低減や工程短縮に向けた具体的な型設計検証用に格上げする。更に設計ツールで設計された型データを一気通貫でCAEの入力データにできるよう、設計ツールとCAEとの間のインターフェースも開発する。こうして設計作業の時短とトライ回数の低減から納期短縮を図り、低コスト化を実現する

開発した技術のポイント

[設計作業の時短][トライ回数の低減][工程短縮による短納期化][低コスト化]を狙った、プレス加工の型設計検証システムを開発。
 ・型構造を扱えるシミュレーション
   →多数の型部品(コイルばね・ガスクッションを含む)を反映することにより、複雑な型モーションを扱えるシミュレーション。
     個々の型部品の動きを人が設定する必要はなく、動きの分かっている1つの型部品を指示すれば良い。板の反力に負け
     コイルばねが縮んで型部品が逃げだり、その型部品が別の型部品に接触して連動で降りてくるといった複雑な型モーション
     は、ソフト自身で板の変形と共に解いていく。
 ・設計ツールとシームレスなシミュレーション
   →設計ツールとシミュレーションのインターフェースにより簡単便利に操作できるシステム。計算専用の型モデルを作ることはなく、
     設計ツールで作った型モデルをそのまま入力データとしてシミュレーションに掛ける。
なお、サポイン終了の後、[カムの導入][プレス機の剛性考慮]など、機能を追加している。

具体的な成果

システムに必要な各種機能を開発し、
 ・ピアス、ノッチング、張出成形、曲げ、フランジ成形、切出しを含む11ステージの順送プレス
を例題として実験と比較した。その結果、
 ・トライで発生した2箇所のプレス不具合(予期せぬ位置での当り、形状不良)が、そのまま本システムによる結果でも現れた。
 ・プレス不具合を予測できたことにとどまらず、不具合発生のメカニズムも判明し、対策を容易に見出した。
 ・これを踏まえて二つの部品について型修正を行ったところ、再トライでは不具合が消えて良好な製品を得た。

知財出願や広報活動等の状況

論文
 ・大町勝一郎:「3DQuickPress」による順送金型とシミュレーション、型技術者会議2010 講演論文集(2010)、126-127
 ・大町勝一郎:3DQuickPress・プレス金型構造シミュレーションによる検証と対策、型技術者会議2011 講演論文集(2011)、158-159
雑誌
 ・大町勝一郎:プレス設計における3次元型構造シミュレーションの提案、プレス技術、Vol.49、No.4(2011)、73-76
   →全6回の連載につきVol.49、No.9まで続く。
出展
 ・JIMTOF(H22)

研究開発成果の利用シーン

開発した技術(①上死点作成機能 ②CADからの型データ抽出機能 ③型メッシング機能 ④型位置相関検出機能 ⑤型の閉じた形状対応機能 ⑥CAE高速処理機能 ⑦ポストプロセッサー機能)により、型構造・型形状の設計検証を行い、トライで発生し得る不具合を事前に見抜いて、トライ回数が低減する。詳しくは、
 ・ターゲットは工程設計の費用低減
 ・トライ回数を減らすために、型作製(型部品加工・組立)前に成形不具合を予測するソフト。
 ・タンデムやトランスファープレスのみならず、順送プレスをも扱えるソフト。 → ポイントその1=分野の新規性
 ・加工要素の検討段階のみならず、できあがった組図の最終検証ができるソフト。 → ポイントその2=運用の新規性

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

H22年度に実用化に成功

提携可能な製品・サービス内容

ソフトウェア販売

製品・サービスのPRポイント

低コスト化
 ・トライ回数低減(目標2回)により生産準備に要する人件費低減
製作時間短縮
 ・トライ回数低減(目標2回)により生産準備期間を短縮

今後の実用化・事業化の見通し

開発後は複数社のベンチマークテストを実施し、改良(機能・処理速度・精度・操作性)を加え、現在販売中。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社計算力学研究センター
事業管理機関 株式会社計算力学研究センター
研究等実施機関 株式会社計算力学研究センター
株式会社ナノソフト
有限会社玉川精機
アドバイザー 遠藤順一:神奈川工科大学教授(※研究開発実施当時)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社計算力学研究センター(法人番号:7010701002964)
事業内容 流体・構造物等の受託数値解析、新技術による自社製品開発、技術コンサルタント
社員数 61 名
本社所在地 〒142-0041 東京都品川区戸越1-7-1 東急戸越ビル
ホームページ https://www.rccm.co.jp/
連絡先窓口 第5技術部白滝之博
メールアドレス shirataki@rccm.co.jp
電話番号 03-3785-3024