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接合・実装

固定抵抗器の抵抗体と電極の接合信頼性を高める、異種材接合テーラードストリップ製造技術の開発

埼玉県

株式会社特殊金属エクセル

2020年4月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 車載固定抵抗器の高性能・高生産性化に資するテーラードストリップ製造技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 摩擦攪拌接合
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車モータ等の電流検出用金属固定抵抗器は、従来、抵抗材と電極材の電子ビーム突合せ溶接で製造されているが、真空プロセスなので生産性が悪く、異種金属の溶融による接合信頼性の問題もある。本研究では、その課題解決のために、大気中で固相接合できる摩擦攪拌接合法の連続化による抵抗器用長尺テーラードストリップの製造技術や設備を、最適ツール材料や接合条件の研究を通じて、開発する

開発した技術のポイント

固定抵抗器用のCu-Mn-Ni合金とCuとの異種材接合テーラードストリップを製造
・摩擦攪拌接合装置の計装化→加圧力、推進力を常時観測
・摩擦攪拌ツール強度→20m長距離接合でも変形、摩耗軽微
・接合材品質→継手効率75%以上、内部欠陥なし
(新技術)
連続摩擦攪拌接合
特徴
・大気雰囲気化のプロセスで接合を行うことができ、連続化が容易で生産性が高い
・異種金属接合でも高い信頼性を得ることが可能

具体的な成果

・摩擦攪拌接合装置の計装化を実施
‐既存の摩擦攪拌接合装置に、ツール加圧力、ツール推進力の計測機能を搭載
‐ツール加圧力、ツール回転トルク等の動力をリアルタイムに計測できる機器となり、接合品質の安定化が可能に
・テーラードストリップ材を作製するために適切な摩擦攪拌ツール材質を開発
‐摩擦攪拌ツール材料として、ニッケル基2重複相金属間化合物を取り上げ、真空誘導溶解(VIM)法によってNi基超々合金(NAV-5Ta)を作製
‐検査の結果、NAV-5Taは熱処理後の鋳塊に割れや欠陥が認められないことを確認
‐基礎特性調査の結果、NAV-5Ta合金の引張強度1,188MPaを確認
・NAV-5Taツールを使用した接合試験を実施し、当該ツールの優位性を確認
‐開発したNAV-5Taツールにより接合試験を実施
‐接合距離20mでもツール形状に大きな変化は無く、摩耗も軽微であることを確認
‐回転数や接合速度等の接合条件を適切に設定することで、光学顕微鏡レベルでの欠陥がなく、健全(継手効率75%以上、内部欠陥なし)な接合材を得た

研究開発成果の利用シーン

固定抵抗器用のCu-Mn-Ni合金とCuとの異種材接合テーラードストリップを製造

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化は停滞中

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・低コスト化→開発した設備は、従来よりも投資コストが1/5に抑えられ、また運用コストにおいても利点あり
・環境負荷削減→開発した設備はシールドガス等を使用しないため、環境負荷の削減に繋がる
・汎用性向上→従来手法では適用困難であった材料に本設備を用いることで、安定した製造が可能

今後の実用化・事業化の見通し

試作した材料の品質安定性が要求レベルに到達せず、量産化に向けた取り組みは停滞している状況
技術的プログレスを目的とした情報収集を継続実施している

実用化・事業化にあたっての課題

接合材の性能および品質安定性

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社特殊金属エクセル 埼玉事業所
事業管理機関 株式会社特殊金属エクセル 埼玉事業所
研究等実施機関 地方独立行政法人大阪産業技術研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社特殊金属エクセル(法人番号:4013301025421)
事業内容 鉄・非鉄金属のリロール
社員数 223 名
本社所在地 〒355-0342 埼玉県比企郡ときがわ町玉川5
ホームページ http://www.tokkin.co.jp
連絡先窓口 新機能材料研究開発本部 蛭田修平
メールアドレス s-hiruta@tokkin.co.jp
電話番号 0493-65-4030