精密加工
金属と樹脂の密着性を向上する三次元マイクロ構造加工技術によりデバイス等の信頼性、安全性の向上に貢献
茨城県
株式会社大貫工業所
2020年3月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 三次元マイクロ構造加工用金型およびプレス技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、電池、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 順送プレス加工、リチウムイオン電池、半導体パッケージ、微細凹凸加工 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
三次元マイクロ構造加工精密微細金型と高速プレス加工技術によって、金属表面へ精密な三次元マイクロ構造加工を施す革新的技術を開発する。この技術完成により金属界面と樹脂材料との接着強度が高まり、LEDや高周波トランジスタなどの半導体パッケージの一層の小型化が可能になる。また高出力のリチウムイオン電池においては、電池ケースと絶縁材料の接着強度が向上し、電池の高い安全性を確保できる
開発した技術のポイント
3DM加工精密微細金型と高速プレス加工により、金属表面へ精密加工を施す革新的技術を開発する
・3DM加工用プレス金型の開発→精密微細加工溝幅:MIN.10µm、3DM加工:3µm以下
・3DM加工用金属材料の選定→上記溝幅、加工精度を得られる銅及びアルミニウム
・3DM加工品へのPR(Periodic Reverse/正逆極性反転)電気銀めっき技術の確立→3DM加工転写溝幅、変動:±10%以下
・3DM加工品の試作と評価
(新技術)
精密微細順送金型及びリールツーリール高速プレスによる微細加工
特徴
・高速プレスによる高い生産性
・低コスト化
・低消費エネルギー
・生産性が高く、設備台数が少なくて済む
・少量産及び大量産の両方に対応
具体的な成果
・3DM加工用プレス金型の開発
‐3DM加工用の金型材料(高炭素工具鋼SKD11)の選定と、主にマシニングセンターによる精密微細溝加工法の開発を行い、高精度の精密微細加工金型を製作
‐主にショットブラストによる3DM加工法を開発。DLCコーティングパンチによる3DM加工が可能に
・3DM加工用プレス加工技術、PR電気銀めっき技術の確立
‐銅(C1100)、アルミニウム(A1050)の3DM加工が可能なことを確認
‐通常のクランクプレスでプレス速度50SPM(ショット/分)、サーボプレスで最高プレス速度151SPMでの3DM加工が可能に
‐PR電気銀めっきは3DM加工金属表面の微細な凹凸の再現性に優れていることを実証
・3DM加工品の試作と評価
‐LED用リードフレーム等の試作を行い、銅、アルミニウムともに、3DM加工の金属表面は3DM加工なしと比較して、樹脂との密着性に優れることを検証
‐量産性評価用金型を試作
知財出願や広報活動等の状況
特許:「樹脂封止金属部品、それに用いるリードフレーム、及び金属部品の製造方法」(特願2010-209730)、「金属・樹脂一体成形品の製造方法」(特願2012-216289)
研究開発成果の利用シーン
・金属界面と樹脂との接着強度が増し、LED 高周波トランジスタの小型化が可能になる。
・リチウムイオン電池の電池ケースと絶縁材料の接着強度が向上し、高い安全性を確保できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功。H25年度の事業化を目指す
・LED実装パッケージ、リチウムイオン電池キャップ(電極、キャップの接合)の無償サンプルあり
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
・信頼性・安全性向上→基板と樹脂の密着強度向上による信頼性、安全性の向上と半導体パッケージの小型高密度化への対応
・量産化、安定供給化→高速微細加工プレス工法による量産化により、安価な安定供給が可能に
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究を進めつつ、サンプル提供、引き合いへの対応を展開
・量産対応には、パンチ、ダイの耐久性向上に関する表面コーティングやプレスオイルの改良等の技術追求による評価が必要なため、補完研究を実施予定
・リチウムイオン電池用3DM加工キャップのさらなる密着度向上のため、研究中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社大貫工業所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人日立地区産業支援センター |
研究等実施機関 | 茨城プレイティング工業株式会社 国立大学法人茨城大学 茨城県産業技術イノベーションセンター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社大貫工業所(法人番号:4050001023041) |
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事業内容 | 超精密金型、樹脂成型金型の開発、設計、製造及び高精度金属プレス加工品製作 |
社員数 | 59 名 |
本社所在地 | 〒316-0025 茨城県日立市森山町5-10-8 |
ホームページ | http://www.ohnuki.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 大貫啓人 |
メールアドレス | ohnuki@ohnuki.co.jp |
電話番号 | 0294-53-3821 |
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