3.1.1.2 事業継続のための障害を把握する

(1) 実施のポイント

 ここでは、特定した中核事業に対して、その事業を継続するために必要な資源(人、物、金、情報等)を把握します。
 例えば、中核事業の一つが、「顧客"甲"に対して、製品"A"を製造・提供すること」であるとします。この場合、製品"A"をひたすら作り続ければよいわけではなく、その他にも受注、出荷、配送、支払い、決済といった、中核事業に付随する業務も不可欠であることはいうまでもありません。そのため、まずは当該中核事業の遂行に必要な「重要業務」をすべて把握し、それに必要となる資源を具体的に考えていくことが望ましいでしょう。
 なお、効率的に考えるための方法のひとつに、例えば、以下のような資源が「利用できなくなった」、または「無くなった」場合に、重要業務が継続できるかどうかを想像する方法があります。

従業員、工場等の施設・店舗、設備(製造用機材等)、原材料等の供給、パソコン(インターネットや電子メールを含む)、情報管理システム、電話、電力、ガス、水道、納品のための輸送手段、各種書類・帳票類、その他

 この時、項目ごとの重要度を把握するために、「ほぼ操業できなくなる」、「人手による代替等で、一部は操業できる」、「操業にはまったく支障がない」のどれにあてはまるかを整理すると、重要業務に不可欠な資源が把握できます。ここで、「重要業務に不可欠な資源」は、同時に「中核事業に不可欠な資源」であるともいえますから、結果として、中核事業を継続するための基本的な障害(本指針では、この障害を「ボトルネック資源」といいます。)を把握できたことになります。
 また、これらの項目以外に、あなたの会社の事業に特化した障害もあると思われますが、それは日常の業務において、ある程度認識されているはずですので、それも併せて整理するのがよいでしょう。

 


3.1.1.1 優先的に事業復旧すべき中核事業を把握する     3.1.1.3 目標復旧時間を決める