認定投資事業有限責任組合経由-エンジェル税制申請から確定申告までの流れ-
認定投資事業有限責任組合経由での投資について
平成16年税制改正において、民間のプロの目利きであり、かつ専門的知識や経験を活用して投資先企業の成長を支援していく投資事業有限責任組合を経済産業省が認定する制度が創設されました。認定された投資事業有限責任組合が投資するベンチャー企業がエンジェル税制の対象となるか否かを判断する際、ベンチャー企業要件のⅡ・Ⅲを免除(注:優遇措置Aの営業キャッシュフロー赤字要件は免除されません。) し、かつ投資事業有限責任組合がベンチャー企業に対し確認書を発行できることとすることで、都道府県への確認申請が不要となります。
- 投資事業有限責任組合とは、投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合を指します。
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投資事業有限責任組合契約の締結
組合契約には以下の事項を盛り込む必要があります。
- 資先企業に対して指導を行う事業を営む事
- エンジェル税制の適用にあたって必要な事項
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投資事業有限責任組合の認定申請
次の書類を中小企業庁創業・新事業促進課エンジェル税制担当者(電話:03-3501-1767)まで提出してください。
- 認定申請書
- 組合契約書の写し
- 組合の登記事項証明書
- 組合がその株式を保有する会社に対して積極的な指導を行う事が確実である旨を説明した書類(所定様式)
- 詳しくは「認定投資事業有限責任組合マニュアル」、「様式集(認定投資事業有限責任組合用)」をご覧ください。
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経済産業大臣の認定書の交付・対外公表
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ベンチャー企業への投資
エンジェル税制の適用を受けるためには、一定の事由※について記載した投資契約の締結が必要です。
- 投資契約に規定すべき一定の事由
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ベンチャー企業要件と個人投資家要件の確認
発行会社は投資家が一定の株主でないことを確認し、投資家に対して確認書(様式集(認定投資事業有限責任組合用)参考様式1)を発行します。
認定投資事業有限責任組合は、次に掲げる事項を確認の上、投資家に対して確認書(様式集(認定投資事業有限責任組合用)参考様式2)および認定証の写しを交付します。
- 中小企業者であって、大規模会社の子会社ではないこと
- 設立後10年を経過していないこと(優遇措置B適用の場合)
- 設立後5年を経過しておらず、設立以後の各事業年度において営業キャッシュフローが赤字であること(優遇措置A適用の場合)
- 未登録・未上場会社であること
- 風俗営業を営んでいないこと
- 組合契約及び投資契約に上記に規定した事項が記載されていること
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確認書の取得!
- ベンチャー企業は、払込期日の属する年の翌年1月31日までに、次に掲げる事項を記載した通知書(様式集(認定投資事業有限責任組合用)参考様式3)を 税務署長に提出する必要があります。
- 発行会社が租税特別措置法第37条の13第1項第2号又は第41条の19第1項第2号に掲げる株式会社であること
- 認定投資事業有限責任組合の名称
留意事項
認定投資事業有限責任組合経由で投資を行った方は以下の留意事項を確認してください。
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都道府県知事(又は認定投資事業有限責任組合や認定少額電子募集取扱業者)の確認を受けたベンチャー企業株式と同一銘柄株式につき、株式の取得、譲渡、贈与等保有株式数に変動が生じた時は、速やかに発行会社に通知して下さい(投資事業組合を通じた場合は、投資事業組合の代表者経由)。
なお、発行会社は譲渡又は贈与があったことを知った場合には、投資家の株式異動状況通知書を作成の上、その知った年の翌年1月31日までに発行会社所在地の所轄税務署に提出してください。 - 認定投資事業有限責任組合の代表者は、株式の譲渡の対価の実質的受領者を明らかにするため組合員所得に関する計算書を、認定投資事業有限責任組合の代表者の所轄税務署に提出してください。
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「投資時点での優遇措置」は、所得税のみ認められている制度であり、住民税においては認められていません。
なお、エンジェル税制の売却時点の優遇措置については、所得税及び住民税の両方が認められています。 - エンジェル税制の特例を複数回利用する場合は、認定投資事業有限責任組合へ確認書の再発行を申請をしてください。