3.5.2 BCPの維持・更新を行う

(1) このステップの目的

 BCPを実効性の高いものにするためには、会社の最新の状況を反映したものに維持するとともに、BCPに変更を与えるような社内体制の変更等があった場合に、BCPを見直し、更新する必要があります。
 必要に応じてBCP運用体制を見直すとともに、事前対策等に必要な運用資金を見積もり確保します。
 また、見直し結果を踏まえて改善点を洗い出し、BCPに対する取組み全体を評価して、次年度の改善提案につなげることは経営者の責務です。


(2) 実施のポイント

 BCPは継続的に更新されることが望まれますが、定期的な更新を行うべき頻度や、行うべき条件は、会社の特性や規模等によって変わります。
 BCPの更新は以下のような条件にもとづいて実施されるべきですが、このような大きな事業変化がない場合でも1年ごとの見直しが望まれます。

 あなたの会社の組織体制に大きな変更があった場合
 取引先(供給元または納品先)に大きな変更があった場合
 あなたの会社の中核事業に変更があった場合
 新しい事業ライン、製品、またはサービスを開発した場合
 主要な情報通信システム、ネットワークに大幅な変更があった場合
 あなたの会社の業務に関連する、国や業界のガイドラインが改訂された場合
 サプライチェーンからの要求に変更があった場合 等

 ただし、従業員の連絡先の変更等安否確認に関するものは即時に更新されることが望まれます。そのため、従業員の連絡先が変更になった場合に、それを会社に申し出るための手順が、従業員に対して明確にされている必要があります。
 ※ BCP更新の頻度を決定したら、〔様式02〕BCPの基本方針に記入して下さい。

 また、構築したBCPの水準が、その目的と照らし合わせて、確実かつ有効なものであるかどうかを調査するために、BCPコンサルタント等の第三者による審査を受ける方法があります。
 外部による審査により実効性を保証されたBCPを持つことは、あなたの会社の事業継続可能性を社会に証明するための根拠となりますが、一般的に、BCP構築を開始したばかりで、まずはそれを会社に定着させるための活動をしている段階の会社においては、外部審査のプロセスをBCPに組み込むケースは多くないようです。
 BCPが会社に定着し、BCPがある程度運用できるようになった上で、必要性を感じるのであれば、経営者の判断により、改めて審査プロセスを会社のBCPに取り込むかどうかについて検討すればよいでしょう。


 ※ 以上の説明に従ってBCPの策定及び運用の検討が一通り終了した後に、 を実施して下さい。


3.5.1 BCPの診断・チェックを行う     4. 緊急時におけるBCPの発動