3.5.1 BCPの診断・チェックを行う
(1) このステップの目的
このステップでは、これまで策定したBCPの正確性や完全性を評価することを目的として、BCPの全体の実効度の診断及びチェックを実施します。
このステップを通して見直すべき改善点を洗い出し、BCPに対する取組み全体を評価して、定期的にBCPの更新を行うことは経営者の責務です。
(2) 実施のポイント
策定したBCPが緊急時に有効に機能するかどうかを評価する方法としては、大きく分けて以下の2つがあります。
① 緊急事態発生を模擬したBCP診断を実施して評価する
BCPの診断として最も効果的なものは、抜き打ちで、実際に中核事業が影響を受けたという状況を模擬し、従業員の安否確認、参集、代替施設への移動、代替設備の準備、バックアップしてある情報類の取り出し等の活動(または、その手続き)が、BCPにもとづいて適切に実行されるかどうかを実際に評価してみることです。
このような本格的な診断の実施は、従業員の負荷や通常業務への支障等の面から考えると、敷居の高いものといわざるをえませんが、実際に行動してみなければ明らかにできないようなBCPの問題点や課題等が把握できますので、余力がある場合には実施することが望まれます。
② 自己診断チェックリストを利用して評価する
『BCP策定・運用状況の自己診断チェックリスト』を利用して、あなたの会社における現状のBCPを評価する方法です。
緊急事態発生を模擬して実際にBCPを発動させる評価方法と比べると、負担はほとんどなく、手軽に評価できるメリットがありますが、策定したBCPの詳細な問題点までは把握できません。