3.4 BCP文化を定着させる

(1) このプロセスの目的

 会社へのBCPの定着という意味では、ただBCPを策定していればよいということではなく、緊急事態発生時にそれを従業員が有効に活用できなければ意味がありません。
 BCPを実効性の高いものにしようとするならば、災害時にBCPを利用して実際に復旧活動にあたる従業員が、BCP運用に対して前向きに取り組む必要があることはいうまでもありません。そのためには、BCPに関する訓練や教育が積極的に行われるとともに、BCP運用に対する経営者の前向きな姿勢が、会社の文化として定着することが重要になってくるのです。本指針では、そのような文化のことを「BCP文化」と表すことにします。
 BCP文化が定着している状態がどのようなものであるかを明確に規定することはできませんが、例えばあなたの会社の従業員に関する以下のような質問すべてに対して、自信をもって「はい」と回答できるようになることが、このプロセスの目的といえます。

 BCP活動を実施することに従業員が賛同していますか?
 緊急事態発生時に出社可能な従業員が出社してくれますか?
 緊急事態発生時に何を行うべきかを各従業員が理解していますか?
 緊急事態発生時に従業員が安否を報告してくれますか?
 従業員が、自身や家族の安全対策に積極的に努めていますか?


(2) このプロセスでの実施内容

3.4.1 従業員へのBCP教育を実施する
3.4.2 BCP訓練を実施する
3.4.3 BCP文化を醸成する

 


事業継続に必要な各種情報の帳票類     3.4.1 従業員へのBCP教育を実施する