資料04  BCPの有無による緊急時対応シナリオ例

(5)卸・小売業(水害)

 

BCP導入なし企業

BCP導入済み企業

想定

●小規模な食料品スーパーを経営(従業員3名+パート店員5名)。
●平日、大雨が降り続き、12時に大雨・洪水警報、15時に近くの河川の水防警報、17時にスーパー周辺地区を対象に避難勧告が発出される。20時に堤防が決壊し、スーパーが約50cm浸水する。

当日

●大雨ではあったが、気象情報を収集することなく、通常通り操業。避難勧告もスーパーには伝達されず。
●21時が閉店。20時過ぎにスーパー店内が浸水。お客さまも店員も店内に取り残される。
●電源装置が水に浸かり停電、店内が真っ暗になる。
●倉庫も浸水し、在庫品の大半が売り物にならなくなる。
●取り残されたお客さまと店員は、店内で一夜を明かす。

●社長以下、従業員全員が、河川事務所が公表している洪水ハザードマップを見ており、スーパーが浸水危険地域であることを知っていた。
●店主は、ラジオやインターネットで気象情報等を収集。15時過ぎに臨時閉店を決定。
●入り口に防潮板をたてる、在庫品等を棚に上げるなどの浸水対策を行った後、従業員を帰宅させる。
●店主は、17時に避難勧告が出たことを町内会長から知らされ、家族と連絡を取り合って、近くの小学校に避難する。
●20時過ぎにスーパー周辺も浸水するが、予め電源装置は基礎を上げており停電せず、在庫品の多くも浸水を免れる。

数日間

●市役所等が排水ポンプを手配し、2日後に排水が完了する。
●従業員の多くは、住家が浸水し、その対応のため1週間、出勤せず。
●店内の整理は手付かず。停電が続き生鮮品は腐敗し始める。

●翌日、ボランティアの助けを借りて店内を整理。賞味可能な食料品を避難所に運び、無料提供。
●市役所等が排水ポンプを手配し、2日後に排水が完了する。
●日頃、従業員には高台に住むよう指導していた。半数の住家は浸水を免れ、半数は浸水する。泥の掃き出し等、従業員同士で助け合う。
●3日後には、物流が通常通り回復、スーパーの整理も終えることが出来たので、商品を限って仮営業を開始。1週間後には通常営業に移行。
●仮営業の間、周辺地域の後片付け、緊急物資の日用品の配給等に協力。

数ヶ
月間

●1月後、金融機関から巨額の融資を受けてスーパーの営業を再開。

●営業中断に伴う損害は、加入していた利益保険でカバー。
●近くの中堅他店の営業再開が1ヵ月後と遅れたこともあり、店の評判が上がり、お客さまが増える。


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