資料03 企業を取り巻くリスク

 企業を取り巻くリスクは多様であり、事業への影響の内容や規模もリスクによって異なります。各リスクの事業に対する影響や地域の災害特性、各企業の特徴等を考慮して、リスクへの対策を実施することが重要です。

図 企業を取り巻くリスク(イメージ)
図 企業を取り巻くリスク(イメージ)


(1)地震

 発生頻度は他のリスクよりは相対的に低いものの、突発的な災害であるため、施設等の物的被害だけでなく従業員や顧客等に死傷者が発生する可能性があります。また、広域的な被害を伴い交通やライフラインといった社会インフラ機能の回復に時間がかかるため、事業の回復にも時間がかかります。
 地震は日本ではどこにいても被災する可能性があり、全ての企業で耐震化等の予防対策や避難や安否確認等の応急対策に関する検討が求められます。東海地震や東南海地震、南海地震、首都直下地震等の切迫性の高い地震の影響を受ける地域では特に注意が必要となります。


(2)風水害

 地震と異なり警戒が可能であるため、適切な対応を実施すれば被害の予防・低減が可能であり、従業員や顧客等の死傷者が発生する可能性は低くなります。広域的な被害を伴うものの、地震と異なり交通やライフラインといった社会インフラ機能が致命的なダメージを受けにくく回復も早いため、事業の回復も地震より一般的に短くなります。
 風水害では、浸水や土砂災害により被害を受けるが地域が限定されるため、危険地域の企業では避難や安否確認等の応急対策に関する検討が求められます。近年は大型台風や集中豪雨による被害が以前よりも増えており、これらの地域では特に注意が必要となります。


(3)火災

 広域的な被害は無いものの、当該企業には死傷者の発生や施設の全焼等の致命的なダメージを与える可能性があります。また、隣接する企業や住宅に延焼する可能性もあります。
 火災には火の不始末等の内部要因とともに、放火等の外部要因があります。内部要因については予防対策を充実させるとともに、万が一火災を発見した場合には直ちに消防署に通報することが必須です。


(4)従業員の集団感染・集団食中毒

 従業員の集団感染・集団食中毒では、原因となるウィルス等の種類にもよりますが、最悪の場合には死者が発生する可能性があり、また死者が発生しない場合でも多くの従業員が一定期間就業できなくなるため、企業活動の停止や低下を伴う可能性があります。また、商品等を経由した外部への2次感染の可能性も考慮する必要があります。
 特に感染症の場合には、少数でも感染が発覚した場合には、手洗いやマスクの着用、定期的な空気の入れ替え、消毒等の徹底した拡大防止対策を早期に実施することが求められます。集団食中毒については、イベント等で全従業員が同じ弁当を食べないといった予防対策が求められます。


(5)科学技術災害

 危険物の施設・輸送事故、電力供給停止等が含まれます。
 化学メーカー等の場合には当該企業の事故等が原因となる場合もあり、直接的な被害とともに事故を起こした社会的責任から事業再開が困難になる等の重大なダメージを伴う可能性があります。その他の場合でも、隣接企業や危険物輸送車両の事故に巻き込まれる等により被害を受ける場合も考えられます。


(6)その他自然災害リスク(雷、雹等)

 雹や雷、猛暑、渇水・水不足等の地震や風水害以外の自然災害が含まれます。
 これらは、相対的に発生頻度は高いものの、人的被害や物的被害を伴う可能性が非常に低いため企業活動に重大な影響を与える可能性は低くなります。ただし、商品の売上げが気候に左右されやすい場合や、水不足や大寒波等の影響を受けやすい企業では、深刻な問題となる場合もあります。


(7)その他の人為的リスク(企業内暴力、妨害、窃盗、コンピュータ犯罪等)

 企業内部の暴力や外部からの妨害や窃盗、コンピュータ犯罪等が含まれます。
これらに遭遇する可能性は他のリスクよりは相対的に高いと考えられますが、被害対象が限定されるため企業活動に重大な影響を与える可能性は非常に低くなります。ただし、コンピュータ犯罪ではその程度にもよりますが、発注や生産管理等の基幹システムに支障が生じる場合には、企業活動に一定期間支障が生じることも考えられます。
 企業内外の人為的要素に起因するためその防止は容易ではなく、また費用対効果が高くつく可能性もあります。ただし、窃盗等に対しては、施錠管理等の防犯対策の充実が求められます。
 テロリズムも人為的リスクではありますが、中小企業が主対象となる可能性は低く、他の対象への攻撃で直接的または間接的に被害を受けることが考えられます。企業活動への影響の大きさは被害の種類や大きさに依存するため一概に決められませんが、建物が被害を受ける場合には火災と同等の影響を受けることや、従業員が被害を受ける場合には従業員の集団感染・集団食中毒と同等の影響を受ける可能性があります。


 


資料02 内閣府事業継続ガイドラインと本指針の比較     資料04 BCPの有無による緊急時対応シナリオ例