資料02 関連指針との比較

 本指針は、基本的に内閣府のガイドラインと整合性を持つものですが、①中小企業向けであることから事業継続に関する各種ノウハウ(財務診断モデルや事前対策メニューなど)を数多く記載していること、②BCP事業継続計画)に関する専門用語をなるべく平易な表現としていることなどに特徴があります。以下に両者の比較表を示します。

内閣府「事業継続ガイドライン」

中小企業庁「中小企業のための
BCP(事業継続計画)策定運用指針」

備考

【ポイント】
1.事業継続の取組みとは
2.事業継続の取組みの特徴
3.本ガイドラインの特徴
4.取組みを促進する趣旨と論点
5.本ガイドラインの位置づけ
6.チェックリストの活用

1.1 BCP事業継続計画)とは
1.2 本指針の使い方 

○本指針でもBCPの特徴を説明。
○本指針では、中小企業が投入できる人材・時間に応じて3通りのコースを用意。

Ⅰ 事業継続の必要性と基本的考え方

 

 

1.1 事業継続の必要性とポイント
 1.1.1 災害時の事業継続に努力する必要性
 1.1.2 事業継続の考え方のポイント
 1.1.3 広域的自然災害へ備えるべきわが国の事業継続計画の特徴

1.1 BCP事業継続計画)とは
2.1 基本方針の立案

○本指針でもBCPの必要性を説明。また、中小企業がBCPに取り組む際のポイントを記載。

1.2 基本的考え方
 1.2.1 想定する災害リスク
 1.2.2 事業継続と共に求められるもの
 1.2.3 本ガイドラインにあげた各項目の位置づけ

1.1 BCP事業継続計画)とは
2.1 基本方針の立案

○内閣府ガイドラインは地震災害が対象、本指針は地震災害を含む全ての緊急事態を対象としている。
○本指針2.1節で、企業同士の助け合い、地域貢献の重要性を説明。

1.3 継続的改善

3.4 BCPの診断、維持・更新

○本指針3.4節で、BCPの維持・更新の必要性について言及。

Ⅱ 事業継続計画および取組みの内容

 

 

2.1 方針

2.1 基本方針の立案
2.2 策定・運用体制の確立

○両者ともに、事業継続の基本方針を立案・周知すること、体制と資金の確保が必要なことを記載。

2.2 計画
 2.2.1 検討対象とする災害の特定

1.1 BCP事業継続計画)とは

○内閣府ガイドラインは地震災害が対象、本指針は地震災害を含む全ての緊急事態を対象としている。

2.2.2 影響度の評価
 2.2.2.1 停止期間と対応力の見積もり
 2.2.2.2 重要業務の決定
 2.2.2.3 目標復旧時間の設定
 2.2.3 重要業務が受ける被害の想定
 2.2.4 重要な要素の抽出

3.1 事業の理解

○本指針3.1節で、BCPサイクルに沿って同様の内容を説明。ただし、中核事業重要業務の用語を使い分けている。

 2.2.5 事業継続計画の策定
 2.2.5.1 指揮命令系統の明確化
 2.2.5.2 本社等重要拠点の機能の確保
 2.2.5.3 対外的な情報発信および情報共有
 2.2.5.4 情報システムのバックアップ
 2.2.5.5 製品・サービスの供給関係

3.2 BCPの準備、事前対策の検討
3.3 BCPの策定

○本指針3.2節で、中核事業に関わる代替策の検討と事前対策の実施を説明。
○本指針3.3節で、BCP発動時の体制を構築しておくことを説明。

 2.2.6 事業継続と共に求められるもの
 2.2.6.1 生命の安全確保と安否確認
 2.2.6.2 事務所・事業所および設備の災害被害軽減
 2.2.6.3 二次災害の防止
 2.2.6.4 地域との協調・地域貢献
 2.2.6.5 共助、相互扶助
 2.2.6.6 その他の考慮項目

2.1 基本方針の立案
4. 緊急時におけるBCPの発動

○本指針2.1節で、企業同士の助け合い、地域貢献の重要性を説明。
○本指針では4章の中で、初動対応、地域貢献活動として記載。

2.3 実施および運用
 2.3.1 事業継続計画に従った対応の実施

3. 平常時におけるBCPの策定と運用

○本指針では、平常時にBCPサイクルを回すことが重要であることを説明。

2.3.2 文書の作成
 2.3.2.1 計画書およびマニュアルの作成
 2.3.2.2 チェックリストの作成

3.3 BCPの策定
3.6 自己診断チェックリスト

○本指針3.3節で、BCPの様式類に記入することで緊急時事業継続活動の参照データベースを得る。また、BCP策定・運用の図上テストに用いるチェックリストを3.6節に用意。
○本指針4章に、緊急時のBCP発動方法を記載。

 2.3.3 財務手当て

5.財務診断モデル

○本指針は、中小企業向けであり、財務措置が特に重要になると考え、経営者が自己診断できるモデルを用意した。

 2.3.4 計画が本当に機能するかの確認

3.5 BCPの診断、維持・更新
3.6 自己診断チェックリスト

○本指針3.5節で、BCPの診断について言及。また、図上診断に用いるチェックリストを3.6節に用意。

 2.3.5 災害時の経営判断の重要性

4. 緊急時におけるBCPの発動

○本指針4章の冒頭で、エスカレーションの考え方を説明。

2.4 教育・訓練の実施

3.4 BCP文化の定着

○本指針3.4節で、教育・訓練のほか文化醸成について言及。

2.5 点検および是正措置

3.5 BCPの診断、維持・更新

○本指針3.5節で、BCPの維持・更新について言及。

2.6 経営層による見直し

3.5 BCPの診断、維持・更新

○本指針3.5節で、BCPの維持・更新について言及。

Ⅲ 経営者および経済社会への提言

(該当なし)

 


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