5.4 財務診断とキャッシュフロー対策
(1)財務診断
手元資金と復旧費用を比較します。
①手元資金(D1) > 復旧費用(C)
この場合は一安心です。緊急時は、お金の心配なしに、復旧対策に集中しましょう。
②手元資金(D1) < 復旧費用(C)
この場合は、下記の災害時貸付制度などを利用して資金を借りる必要があります。
(2)キャッシュフロー対策
①現金・預金の保有
災害発生後1ヶ月分の支出を賄える現金・預金を保有していることが望ましいと考えます。5.1で触れましたように、不測の出費にも備え、月商の1ヶ月分くらいの現金・預金を持っていることをお薦めします。
②災害時の融資制度
運転資金・復旧資金が不足する場合は、災害時に設置される「特別相談窓口」に相談に行くことをお薦めします。小規模企業共済制度の災害時貸付制度、国民生活金融公庫・中小企業金融公庫・商工組合中央金庫・保証協会(含むセーフティネット保証)の貸付制度があり、被災した中小企業に対して弾力的に相談を受け付けてくれます。
③事前対策の考え方
事前に対策を講じておけば、災害時の復旧費用総額は間違いなく減少します。事業の継続に重大な影響を与える欠陥がある場合は、借入をしてでも事前に対策を講ずることは当然です。