3 売上高が「増加傾向」の要因と「減少傾向」の要因
第1-2-11図は、直近3年間の売上高について、「増加傾向」の要因と「減少傾向」の要因を示したものである。
これを見ると、売上高が増加傾向の者は、その要因として「得意先や固定客がいる」(70.3%)や、「商品・サービスの品質と信頼性がある」(65.8%)を挙げる場合が多い。
これに対し、売上高が減少傾向の者は、その要因として「商圏自体(取引先や顧客)の景気が悪い」(66.5%)と回答した者が最も多く、「商品・サービスの品質と信頼性が低い」と回答した者は1.5%と低かった。
このことは、売上高が減少傾向の者が「商品・サービスの品質と信頼性は低くないものの、商圏自体の景気が悪いために売上高が減少傾向になっている。」と捉えていることの現れであり、他律的要因に減少傾向の要因を求めていることが分かる。小規模事業者の売上高が商圏自体の景気に影響されやすいことは事実であるが、自社の商品・サービスの信頼性の向上等に向けた取組を一層強めていくことが期待される。