10 石油製品価格の動向
最後に、原油価格及び国内石油製品価格の推移について見ていく。
第1-1-13図は、2007年以降のドバイ原油の取引価格の推移を、月次で示したものである。2011年から2014年6月までのドバイ原油の月当たり平均価格は、106.6ドル/バレルと2009年から2010年までの月当たり平均価格は69.9ドル/バレルを大きく上回り、高止まりの状態が続いていた。しかし、2014年7月以降はアメリカにおけるシェールガスの生産動向等の影響もあり、下落基調となっており、2015年2月現在において56ドル/バレル前後で推移している。
第1-1-14図は、国内での石油製品(レギュラーガソリン、軽油)の卸売価格の推移を示したものである。上述のとおり2011年から2014年前半までの原油価格は高止まりの状態であったが、2011年、2012年には為替が1ドル75~80円前後で推移していたこともあり、国内石油製品卸売価格は低く抑えられていた。他方、2013年以降は、円安方向への動きと原油価格の高止まり傾向とがあいまって国内石油製品卸売価格が徐々に上昇し、国内でのエネルギー価格の高騰に対する懸念の声も高まった。しかし、2014年7月以降の原油価格下落を反映し、同年8月以降、レギュラーガソリン、軽油の価格も下落している。