第1部 平成26年度(2014年度)の中小企業・小規模事業者の動向

11 まとめ

2014年度の我が国経済は、アベノミクスの効果が現れ、景気が緩やかな回復基調をたどる中で、消費税率引上げの影響により大きく変動した。

まず、アベノミクスの効果により、消費者物価が緩やかに上昇する中、景気回復の機運とあいまって、設備投資の持ち直しや有効求人倍率の上昇など、企業行動の活発化につながった。一方、2014年4月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動等の影響により我が国経済は大きく変動し、同年8月以降も天候不順等の影響から、個人消費を中心に弱い動きがみられた。しかし、2014年は公共投資が景気を下支えし、2015年に入り、生産、輸出にも持ち直しの動きがみられるようになった。こうした中、企業収益にも改善の動きがみられるようになり、雇用環境も改善を続けている。

他方、引き続き厳しい経営状態となっている中小企業・小規模事業者も多数存在する。次章では、中小企業・小規模事業者の動向を詳細に見ていくこととする。

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