トップページ 白書・統計情報 中小企業白書 2024年版 中小企業白書(HTML版) 第1部 令和5年度(2023年度)の中小企業の動向 第3章 中小企業・小規模事業者の現状 第4節 設備投資

第4節 設備投資

続いて、設備投資の現況について見ていく。第1-3-21図は、総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」を用いて、企業規模別に設備投資額の推移を見たものである。これを見ると、中小企業の設備投資額については、2012年から一貫して上昇し続けており、2021年において18.2兆円となっている。

第1-3-21図 設備投資額の推移(企業規模別)

続いて、設備の過不足感について、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(以下、「日銀短観」という。)の、生産・営業用設備判断DIの推移を確認する(第1-3-22図)。全体的に、2009年をピークに設備の過剰感が徐々に解消され、非製造業では2013年半ば、製造業では2017年前半に生産・営業用設備判断DIはマイナスに転じた。その後、製造業は2018年後半から不足感が弱まる傾向で推移していた。2020年に入ると急激に過剰感が強まったが、2020年第3四半期以降は過剰感が和らぎ、2023年においても横ばいの推移が続いている。

非製造業においては2020年に設備の不足感が弱まったものの、中小企業では2021年第4四半期、大企業では2022年第3四半期よりDIがマイナスに転じ、2023年では、中小企業・大企業共に不足感が強まっている傾向にある。

第1-3-22図 生産・営業用設備判断DIの推移(企業規模別・業種別)

第1-3-23図は、日銀短観を用いて、中小企業の設備投資計画を見たものである。これを見ると、2019年度からのいずれの年度と比較しても、足下の2023年度の設備投資計画は高い水準となっており、3月調査以降の設備投資計画は、前年度比で増加している。このことから、中小企業においても設備投資の機運が高まっていることが示唆される47

47 なお、内閣府(2023b)「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」において、国民経済計算の算出値による国内民間設備投資(名目)は、2023年度の実績見込みで100兆円を超え、かつ2024年度の見通しとしては、104.8兆円を見込んでいる。

第1-3-23図 中小企業の設備投資計画