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第1章 中小企業のIT化推進の基本的考え方


 我が国において急速にIT革命が進展する中で、中小企業も様々な影響を受けている。大企業との間のいわゆるデジタル・デバイド(情報格差)が懸念される一方、中小企業がITを活用することによりもたらされる効果に対する認識が広まり、中小企業においても急速にIT化が進みつつある。

中小企業がITを活用することにより、主に以下の2つの効果が期待される。

(1)生産性の向上
 IT化により多くの情報収集・蓄積・活用が可能となるため、顧客ニーズへの迅速な対応、在庫の削減、納期短縮、生産・流通・販売等の効率化等が実現できる。このようなことを通じて、労働生産性の向上、売上高や利益の増加を図ることが期待される。

(2)ビジネスチャンスの拡大
 インターネットの活用により、一度に多数に向けて情報発信を行い、また幅広い情報収集・情報交換を行うことが可能となる。これにより、今までの取引関係にとらわれることなく多数の企業、消費者と取引できることとなり、ビジネスチャンスが飛躍的に拡大することが期待される。

 こうした効果を最大限活かしつつ中小企業のIT化を進めるためには、既存業務の改善を行わないままIT化を進めるのではなく、中小企業の経営者や従業員が、業務プロセスの改善等の経営革新と結びつけながらIT化を進めていくことが不可欠である。

 現在、中小企業の中には、

 1)経営面における新たな戦略や課題の特定と目標の明確化
 2)経営者の問題意識の高さ、IT化に対する理解
 3)経営革新とIT化の同時進行
 4)社内のIT化推進や社外の適切なアドバイザーの存在

等の要因から、IT化を効果的に推進しているところがある一方、

 1)投資効果が不透明
 2)資金の不足
 3)具体的な活用方法が不明
 4)人材の確保が困難 等

の問題を抱えている中小企業も少なくない。

 このような状況の中で、国等は、中小企業が抱える障壁を取り除き、IT化を効果的に促進しやすい環境を整備し、IT化を支援することが求められている。

 このため、国、地方公共団体、中小企業総合事業団、都道府県等中小企業支援センター、商工会、商工会議所、中央会等の各公的機関は、総合的かつ計画的に中小企業のIT化のための環境整備や支援を実施することとする。実施に当たり、その役割分担と連携を明確にしつつ、中小企業の業種・業態や進展段階に応じた柔軟かつわかりやすい支援メニューの提供や環境整備を行うとともに、その実施スケジュールの明示と実施状況のフォローアップを行うこととする。

 

 

 


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