(2) 復旧費用の算定に影響する各種項目の検討
復旧費用を算定するにあたって、色々な要素が影響してきます。既に各章で触れられていますが、再度列挙します。
① 立地場所
貴方の工場の所在地・地質・地盤・高さ・最寄りの海又は河川からの津波・洪水の危険度、近隣の状況(類焼の危険の有無)等で費用が左右されます。
② 自然災害に関する過去のデータ
貴方の工場所在地の、過去の地震・津波・台風(風速、降雨量)・竜巻・洪水・土砂災害・雷雨・火山噴火・異常高温・異常低温・大雪等。各地気象台にデータがあります。
③ 防災対策状況
消防水利・消火能力・建物、機械、装置、構築物等の防災対策の実施状況・電力、ガス、水道の災害時対策(自家用設備の準備)・コンピュータの災害時対策・業種による火災、爆発の危険度等により復旧費用が変化します。
④ 事業中断
ボトルネック・原料供給途絶の危険度・役員、従業員の危険度・最大予想損害額〔発生しうると想定される1事故・1構内における最大損害額〕・中核事業・その他事業ごとの事業中断リスクの検討等。これらの項目については、損害保険会社・専門のコンサルタント会社等に評価を依頼する(含む有料)ことも考慮すべきです。
⑤ 建物の復旧
復旧に当たっては、構造・面積等を変更するのか。速やかな再建は可能か等で費用が左右されます。(建設業者との関係如何によっては、事業中断期間に影響する)
⑥ 設備の復旧
設備は、新式の設備に変更するのか。速やかな調達は可能か等で費用が左右されます。(機械製造業者との関係如何によっては、事業中断期間に影響する。)
⑦ 複数部門・複数事業所の復旧対策・代替生産の検討等
他地区の事業所に生産を委託する場合の委託に関する諸費用等です。
⑧ 復旧費用に加えるべきもの
設備の復旧費用+事業中断費用+毀損した在庫調達の他、工具・器具・備品・車両運搬具・コンピュータなどの再調達費用も考慮すべきです。