(4)従業員の集団感染
集団感染はインフルエンザ等の感染症が原因となりますが、空気感染や接触感染等により感染が拡大します。特に、狭いスペースで大勢が長時間執務する職場内では感染が拡大する危険性が高くなります。このため、風邪等にかかった場合のマスクの着用等が求められるとともに、感染が発覚した場合には徹底した拡大防止対策を実施する等の対応が求められます†3。
【ポイント1】拡大防止対策の早期実施
感染症には潜伏期間があるため、その場で大丈夫そうに見えても後で発症する場合もあります。このため、少数でも感染が発覚した場合には、感染者及びその疑いのある者には休みを取らせ医療機関で診察させるとともに、従業員全員に対して、手洗いやマスクの着用、定期的な空気の入れ替え、消毒等の徹底した拡大防止対策を早期に実施することが求められます。
【ポイント2】商品等の汚染防止対策の実施
接触感染をする感染症の場合には、必要に応じて商品等を経由した汚染拡大の防止対策を実施することが求められます。従業員の感染があった後で、商品等を経由した顧客の感染が明らかとなった場合には社会的信頼を失う危険性があります。
例)2005/10 川崎市、ネットカフェでの集団結核感染(従業員、利用者)
例)2005/06 東京都、学習塾での結核集団感染
例)2002/08 日向市、市温泉施設でのレジオネラ集団感染(死者発生)
【ポイント3】保健所に相談
感染者は病院で治療を受けるので個別には医師に相談できますが、その他の分からないことがあれば保健所に相談するとよいでしょう。事前の相談も有効です。
【参考】
国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/
感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
日本旅行業協会
http://tabitokenko.visitors.jp/type/
エーザイ株式会社
http://www2.eisai.co.jp/clinician/cl_02_512/cl_02_512_09.html
図 初動対応フロー(集団感染)
表 食中毒・感染症カレンダー
注)東京都が社会福祉施設等でのノロウイルス感染症・食中毒の発生を未然に防止するために作成したマニュアルから抜粋した。
出典:東京都のホームページ(
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/noro_manual.html)